2025年07月04日
【「自主返納」は禁止された政治家の寄付行為買収行為に当たるか?】(2025年7月2日 本会議 報告)
7月2日 臨時議会を開会し、議案第77号 常勤特別職員給与臨時特例条例制定について を審査しました。
前回のブログでは、質疑の前提となる、上地市長の交通法規違反について記しました:
■参考 https://www.katoyusuke.net/blog/25070301
今回は、前提を受けて、議案第77号に関する市長との質疑で何を問うたのか、そしてその結果はどうだったのかをお伝えします。
🔍【加藤ゆうすけの質疑のポイント】
🧭1.「自主返納」の言葉選びの違法性疑い――法的根拠の不在
私たち会派「一市民」が問題視した最大のポイントは、上地市長が記者会見やSNSで使った「自主返納」という言葉です。
市長給与は条例で定められており、市長の一存で減額できるものではありません。
ましてや、「返納」という日本語は、一度受け取ったものを返すことを意味すると受け取るのが自然です。
政治家が、寄付や買収が厳しく禁じられているにも関わらず、「自主返納」という言葉を使った市長に対して、「市議経験もある上地市長が知らなかったはずがない」と厳しく追及しました。
👉【ポイント】
「政治的アピール」を意図したパフォーマンスではないか?と疑念を呈し、市民への誤解を生むリスクを明示。
🧭2.なぜ3か月?――期間と金額の合理性を問う
減額期間が「7~9月の3か月」とされていることについて、「なぜ3か月なのか」という基準を問いました。
また、「3か月分全額」=約343万円とした合理性はあるのかを問いました。
市民の信頼を回復する手段として、納得するに足る理由はあるのか、数値の根拠が欠けているのではないかと問いました。
👉【ポイント】
条例案における“真摯さの演出”が自己都合的で、かつ根拠薄弱なのではないか。
🧭3.なぜ市役所にも議会にも黙って「返納」を表明?
事件発生後の記者取材や会見で、議会にも市役所にも何の説明もなかった事実が判明しました。
これを取り上げ、「なぜ一言の相談もなく“自主返納”と表明したのか」と質しました。
👉【ポイント】
公的手続きを軽視する姿勢、独善性、市長の統治姿勢を批判。
🧭4.市役所(秘書課)には報告せず、選挙「陣営」には相談?――責任の所在の曖昧さ
記者会見での市長の「秘書課には言っていないが、『陣営』の3人には話した」という発言を根拠に、公務より選挙対策を優先していたのではとの疑念を提起しました。
👉【ポイント】
市政よりも選挙を優先し、説明責任をないがしろにした政治姿勢に踏み込んだ批判。
🧭5.処分決定後の今後の市政運営は?――責任回避を許さない
記者会見で市長が「書類送検されたら対応はまた別に考える」と発言した点について、具体的に何を考えているのかを追及しました。
事件の重みを認識しているのか、市民にどう説明責任を果たすのかを問い直しました。
👉【ポイント】
市民の信頼回復は、給与3か月分の減額で果たされるのかを問う。
✒️まとめ:違法性疑いのある手続き、ならびに条例議案の「パフォーマンス化」への批判
今回の質疑は、単なる「3か月の給与減額」という形式だけで幕引きを許さず、
- 「自主返納」の持つ違法性疑いの自覚の有無
- 説明責任の欠如
- 市政への影響の軽視
- 公私の優先順位の取り違え
を明らかにし、「市長にふさわしい責任の取り方とは何か」を問う構成としました。
■■■ーーーーーー
そして、質疑の結果、明らかとなった問題点は、主に以下の5つです。
⚠️■上地市長の答弁に見る5つの問題点
🟥1.「自主返納」発言の法的ごまかし
上地市長は、違法性がある可能性を自認しつつも、「あくまで私の思いをお伝えるために使った表現」と繰り返しました。
しかし、選挙期間中に「給与を自主返納する」とSNSや記者会見で明言した事実は、
- 公職選挙法199条・221条に抵触する可能性(買収や寄付の申し出)
- 議会を経ずに返納を示唆したことによる混乱
を引き起こしており、「表現の問題」で片づけられる話ではありません。
✅【問題点】「思いだからセーフ」という姿勢で、違法性の疑いがある選挙中の発言を撤回せず放置している。
🟥2.責任の「根拠」があいまいな給与減額
3ヶ月の給与減額について、「客観的、合理的ってのはどういう説明があるのかよくわからない」「私の思いを伝えるにはこの金額が客観的、合理的」と語った上地市長です。しかし、
- 他自治体との比較なし
- 有識者会議(報酬等審議会)にも諮問なし
- 客観的な根拠ゼロ
市民から見れば、「どんな思いで?」「なぜ3ヶ月?」が不透明なまま「自分で決めたから」という一点張りでした。
✅【問題点】政治家の「自己判断」がそのまま給与に反映されており、公的予算の扱いとして不適切。「減らすからいいだろ」という話ではない。
🟥3.秘書課への未報告、市役所軽視の姿勢
交通法規違反の発覚(6月14日朝)から記者会見の翌日(6月18日)まで秘書課に連絡しなかったことが判明。
一方で、選挙陣営の「3人」には事前に相談済みだったと答弁。
✅【問題点】市政の運営主体としての市役所を軽視し、「選挙陣営」にだけ情報を共有していた市民不在の危機対応。
🟥4.事実認識すら混乱 ~違反内容を誤って説明~
当初「特定の時間は一方通行となる標識を見落として進入」としていた交通違反の説明が、
- 実際は「指定方向外通行禁止」の標識違反だった(そもそも逆側から進入できない一方通行)
- 記者会見では「いつも通っていた道」と説明しながら、本会議では「初めて通った」とあいまいな発言
✅【問題点】違反内容の事実認識すら曖昧なまま謝罪と責任論が展開されており、信頼性を欠く。
🟥5.市長の責任感の根拠が「思い」に終始
終始「思い」「気持ち」「猛省」といった曖昧な言葉で説明し続けた上地市長。「給料を減らすことで信頼を回復したい」と繰り返すが、
- 違法性が指摘された表現は撤回せず、本議案=「自主返納」であると強弁。
- 「市民の皆様からの信頼回復に努めたい」と言いながら、毎日新聞の追及で焦って仕方なく記者会見を開いたのではないとの説明は変えず。
- 選挙告示から公表までの遅れについて「悩んでいた」とするだけで明確な理由は無し。
✅【問題点】制度や法令に基づかず、勢いと雰囲気で押し切る“気持ち優先”の政治運営で、市民の信頼回復とは逆行している。
この質疑のあと、総務常任委員会での会派「一市民」堀りょういち議員の質疑を経たのち、
再開した本会議で会派「一市民」天白牧夫議員から「法令上も額面上も疑問の残る本議案は否決すべき」と反対討論を行いましたが、あえなく本議案が可決されてしまったことは、昨日のブログでお伝えした通りです。
■今後のことについてーー
本議案の可決を以て、上地市長の交通違反への責任が解消されたわけではありません。
申し上げるまでもなく、警察の捜査の結果がまだ出ておりません。
上地市長に下される行政処分・刑事処分がどのようなものになるのか。
そしてそれは果たして市民に公表されるのか。わかりません。
さらに、今回私たちが一番問題視している「自主返納」が、法的にどのように取り扱われるのかは、必ずしも明らかではありません。
議場は法廷ではありません。
我々議員は、法令(条例など)を作ることはできますが、使うこと(弁護士)や裁くこと(裁判官)はできません。
今回の質疑においても、きわめて抑制的に判断し、それでも指摘しうる内容で構成しました。
他にも、議会で取り上げるべきではないが、市民から関心が寄せられている点としては、
・選挙の前日の朝7時に、よりによって現職の市長本人が、一人で自分で運転して出かける「整体」とは何なのか?
・真っ先に相談した「陣営」の「3人」とは誰なのか?何を相談したのか?
なども、残されています。
引き続き、確認し、必要に応じて質疑していきます。
ーーーーー全文書き起こしーーーーーー
目次
―――▽▽▽1問目 加藤ゆうすけ 質問▽▽▽―――
―――■■■1問目 上地市長 答弁■■■―――
――■■■2問目:一問一答形式での質疑部分■■■――
■■■本議案=「自主返納」なのか?――――――――
■■■交通法規違反の事実関係の把握―――――
■■■法令違反への処分状況について――――――
■■■「自主返納」について―――――
■■■秘書課に連絡をしなかったことーーーーーーー
■■■相談した「陣営」とはーーーーーーーーー
■■■違法性疑いのある本議案の取り下げについて―――――――――――
―――▽▽▽1問目 加藤ゆうすけ 質問▽▽▽―――
一市民の加藤ゆうすけです。
発言通告に従い、議長の許可を得て、議案第77号常勤特別職員給与臨時特例条例制定について、市長に質疑します。
- 本条例議案提出の理由について
- 本条例議案は、上地市長が横須賀市長選挙期間中に述べた「自主返納」を指すのか。
まず、本条例制定の前提について、伺います。本条例は、市長給与を7月・8月・9月の3か月分、全額を減額するものでありますが、これは、上地市長が横須賀市長選挙期間中に述べた「自主返納」を指すのでしょうか。
- 減額するに至った理由について、特に、なぜ3か月なのかも含めて、客観的かつ合理的理由はあるのか。
また、減額するに至った理由について、特に、なぜ3か月なのかも含めて、客観的かつ合理的理由があるのでしょうか。お聞かせください。
- 本条例の失効は、減額のための臨時特例条例案を提出するに至った理由・原因の解決・解消を即ち意味するのか
そして、本条例は本年9月30日限りで効力を失いますが、減額のための臨時特例条例案を提出するに至った理由・原因は、本条例の失効ともに解決・解消すると上地市長はお考えなのでしょうか。伺います。
- 本条例議案提出の理由に関連する事象について
続いて、本条例議案が上地市長が横須賀市長選挙期間中に述べた「自主返納」を指すものと仮定して質問します。
なお、本条例議案の提出に際し、何ら背景の情報が知らされぬままに、議案として提出されておるため、本条例制定の理由に関連する事象と仮定したうえで、議案提出が決まった6月30日時点で知りえた情報を踏まえ作成した発言通告に従って、上地市長に質問します。知りえた情報を、添付資料に掲載しておりますのであわせてごらんください。
- 給与の3か月分全額を「自主返納」と表現したことについて
まず、給与の3か月分全額を「自主返納」と表現したことについて伺います。
毎日新聞の報道によると、上地市長は、6月16日夕方、毎日新聞の電話取材に対し「道路に間違えて入ってしまい、警察の取り締まりにあった。自賠責保険切れは、車が妻名義なので知らない」と話していたとされています。
そして、上地市長は、毎日新聞の電話取材が行われた約6時間後の2025年6月16日23:30、自身のSNS上で、「市民の皆様、ならびに関係者の皆様へ 交通法規違反に関するご報告とお詫び」と題した文書を公開し、同年6月14日朝8時頃、横須賀市船越町1丁目の市道において、自身が運転する自家用車が、一方通行の道に進入し、交通反則切符の交付を受けたこと、さらに「同日の警察からの連絡により、当該車両の自動車検査証(車検)ならびに自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)の有効期限が切れていた事実も判明しました」と公表しました。
なお、本件事案が発生した場所も不明でしたので、質疑に齟齬が無いよう、参考資料として、本件事案が発生した場所とわたしが判断している場所の写真を添付しています。
さらに、2025年6月17日午後に行った記者会見において、車両の名義人が妻であったこと、車検は昨年10月3日に、自賠責保険は昨年11月2日に失効していたこと、失効後に上地市長が月に1,2回運転していたことを明らかにされ、あわせて、「市長給与の3か月分全額を自主返納したいと考えており、その手法については、今後検討させていただきます」としました。
しかし、政治家である市長が、市に対し、市長の判断のみにおいて給与を「返納」することの違法性は、市議経験もおありの上地市長であれば、当然知っているべきことであります。議案の上程もなく、そもそも議会にも市役所職員にも説明の無い段階で、あろうことか「自主返納」という表現で記者にいきなり説明したことについて、その理由をまず上地市長に伺います。
- 事案発生後、秘書課に連絡をしなかった理由について
6月17日の記者会見の席上、上地市長は「多分秘書課は、うちの職員は多分、たぶん、誰も知らないという風に思います。自分の中で悩んだことだから、知らないと思います」とおっしゃっていました。選挙期間中とはいえ、上地市長は、その時点で、現職の市長です。現職の市長が法令違反を犯したこと、さらにその結果について警察の判断を待っている状態であることが、秘書課を含む、横須賀市役所の職員の業務に影響を及ぼすことについては考えなかったのでしょうか。事案発生後、なぜ直ちに秘書課に連絡をしなかったのかについて、伺います。
- いつ、どなたに相談したうえで「自主返納」を決めたのか
他方、記者会見で、上地市長は「陣営」と表現されておりましたが、上地市長ご自身の選挙を支援してくださる方々には、お話をされていたとおっしゃっていました。「相談というか、たぶんこの3人、3人。はい、3人だったと思います」と、その場でおっしゃっていました。
客観的に見て、上地市長の応援をされていた方の中には、現職の議員や、政党関係者、選挙事務経験者がいらっしゃいました。市職員のどなたにも「自主返納」はもとより事案の発生すらも知らせていない中で、いつ、どなたに相談して、「自主返納」を決めたのでしょうか。
- 相談したうえで、なお「自主返納」できると考えたのか
そして、その相談をなさったうえで、それでも、上地市長は「自主返納」できるとお考えになったのでしょうか?
- 書類送検された場合の対応について
また、記者会見の席上、上地市長は、書類送検をされた場合の対応について「まあ、またその、書類送検されるんであるならば、これはまた別に考える」と述べています。書類送検された場合、上地市長は、どのような対応をお考えでしょうか?伺います。
以上で一問目を終わります。2問目以降は一問一答で行います。
―――■■■1問目 上地市長 答弁■■■―――
■1 「議案第77号 常勤特別職員給与臨時特例条例制定について」の提出の理由について
(1) 本条例議案は、上地市長が横須賀市長選挙期間中に述べた「自主返納」を指すのか
●上地市長
まず、本条例議案についてです。自主返納という私の思いを実現させる手法の1つとして、今回の議案を提出しています。
(2) 減額するに至った理由について、特に、なぜ3か月なのかも含めて、客観的かつ合理的理由はあるのか
●上地市長
次に、給料減額についてです。違反の事実をお伝えしたのち、猛省し、お詫びの思いを募らせる中、公人の立場としてどのようにこの責任を負うべきか、けじめをつけるべきか、非常に考え、悩みました。その結果、責任の1つとして、まずは自分自身の考えで給料の自主返納、減額という考えに至り、家族に伝え、近しい者に伝え、減額するという最終的な判断に至りました。
3カ月間としたことについては、今回の事態に対しどのように責任を取るべきかと自分自身で様々に考え、総合的に判断をし、この金額、この期間としています。他の事例なども調べはしましたが、何か具体的な指標なり事例なりを参考にしているわけではありません。
(3) 本条例の失効は、減額のための臨時特例条例案を提出するに至った理由・原因の解決・解消を意味するのか
●上地市長
次に、本条例の失効についてです。現在、警察による捜査の手続が進行中であり、今後何らかの処分が下されるものと思っています。公人として、この処分をもって今回の違反が完全に許されるものとは思っていませんし、この給料減額を議会でお認めいたただき、****(聞き取れず)したとしても同様であります。
今後も、交通ルールを守ること、法令順守の絶対履行を公私ともに常に肝に命じていきたいと思っています。
また、今回の選挙では、このような事態にもかかわらず、横須賀の未来を私に託してくれた多くの市民からの負託があります。このご期待に十二分に沿うためにも、これまで以上に市政に邁進し、政治家として結果責任を果たすことで、少しでも市民の皆様から信頼回復に努めていきたいと思います。
■2 本条例議案提出の理由に関連する事象について
(1) 給与の3か月分全額を「自主返納」と表現したことについて
●上地市長
次に、自主返納についてです。政治家が寄付行為を禁止されていることは承知していますし、市長の立場で給料の減額をするためには議会の承認が必要なことも承知しています。その中で、記者に対し返納という表現を用いたのはあくまで私の思いをお伝えしたものであり、その使用については今後検討させていただく旨を併せてお伝えをしています。
(2) 事案発生後、秘書課に連絡をしなかった理由について
●上地市長
次に、秘書課の連絡についてです。今回の違反は、公務外の私自身の私的な事柄であるために、秘書課に連絡することはしませんでした。
(3) いつ、どなたに相談した上で「自主返納」を決めたのか
●上地市長
次に、自主返納を決めたことについてです。先ほど答弁の通り、違反の事実をお伝えしたのち、猛省をし、お詫びの思いを募らせる中、公人の立場としてどのようにこの責任を負うべきか、けじめをつけるべきか、非常に考え、悩みました。
その結果、あくまで今回の事案は個人の問題であることから、責任の1つとして、まずは給料の自主返納、減額という考えに至り、家族に伝え、さらに近しいものに伝え、減額するという最終的な判断に至り、記者会見で発表いたしました。
(4) 相談した上で、なお「自主返納」できると考えたのか
●上地市長
次に、相談した上で、なぜ自主返納できると考えたのかについてです。自主返納という表現は、あくまで私の思いをお伝えしたものです。先ほども申し上げた通り、記者会見ではその手法について今後検討させていただく旨を併せてお伝えをしています。今回、その手法の1つとして提出していますが、当然、給料の減額のためには議会の承認が必要であると認識しています。
(5) 書類送検された場合の対応について
●上地市長
次に、書類送検についてです。繰り返しになりますが、現在、警察による捜査の手続きが進行中であり、今後、何らかの処分が下されるものと思っています。手続きは誠心誠意、真摯に対応しますし、いかなる処分も厳粛に受けとめる所存です。その処分がまだ下されていない中、その後の具体的な対応については、現時点では発言を控えたいと考えています。
とにかく、今は、これまで以上に一斉に邁進し、政治家として結果責任を果たし、少しでも市民の皆様からの信頼回復に努めていきたいと思います。以上です。
――■■■2問目:一問一答形式での質疑部分■■■――
■■■本議案=「自主返納」なのか?――――――――
▽加藤ゆうすけ
ご答弁ありがとうございました。
今回の議案第77号で行おうとしているのは、市長の給料月額を、常勤特別職員給与条例第2条に規定する額から、この額に100分の100を乗じて得た額を減じた額にしようとするものです。
議案書に記された提案理由は「市長の給料月額を3カ月減額するため、この条例を制定する」という内容でした。
そして、つい先ほど上地市長が述べられた提案理由は、「本日、信頼を損なった責任の1つとして、給料月額を3ヶ月減額するため、議案第77号を提出しました」というものでした。
さらに、大村議員への答弁は「政治家が寄付行為を禁止されていることは承知していますし、市長の立場で給与の減額をするためには議会の承認が必要なことも承知しています。この度の臨時特例条例の制定は、自主返納という思いを実現させる手法の1つとして想定していました」。
「自主返納という思いを実現させる手法の1つとして想定」。市長がおっしゃっていた「自主返納」のことを指すのか、そうではないのか。「自主返納」のことを指すのか、そうではないのか。いかがですか。
●上地市長
ですから、自主返納を実現させる一つの手段だというふうに思ってますが。
▽加藤ゆうすけ
この議案は「自主返納」なんですね?
●上地市長
自主返納のための減税(※減額の間違い)。そうです、そうです。
「自主返納」のための、ための、具体的な事実としてお願いをするということです。
▽加藤ゆうすけ
本議案イコール「自主返納」であるということで、その部分は後ほど詳しく質します。
続いて。本議案は「常勤特別職員給与臨時特例条例」です。給料月額が0円であっても、0円の給与、ということですよね。給与であるからして、対象となる期間に関する根拠並びにその金額が妥当なものなのか根拠が必要だと、重要だと考えています。先ほどご説明聞いて考えました。額面について、客観的で合理的な説明できますか?
●上地市長
ですから、客観的、合理的ってのはどういう説明があるのかよくわからないんですが、私としては、私の思いを伝えるには3ヶ月分の給与の返上ということが客観的、合理的だっていうふうに私は理解をしてるつもりです。
▽加藤ゆうすけ
給料3ヶ月分っていう表現は、なかなか、何の思いを伝えるのかなと思ってしまいますけど。
この本件事案の発生から議案の提出まで半月あったわけですね。その期間をもってしても、合理的な説明ができる金額算定は事務方にお願いできなかったんですか?
●上地市長
事務方にはできない状態だという風に思いますけども。
私は私なりに考えた結論ですけども。
▽加藤ゆうすけ
横須賀市特別職報酬等審議会など有識者会議には諮りましたか?
●上地市長
諮ってませーん。
▽加藤ゆうすけ
合理的理由の部分は以上で終わりにします。
■■■交通法規違反の事実関係の把握―――――
続いて、ここで、本条例議案の審査に必要なので、本条例議案の提出の理由に関連する事象としての上地市長の交通違反について、事実関係を改めて確認をさせてください。
上地市長、添付資料の中で、自身のSNSに公開された「市民の皆様ならびに関係者の皆様へ交通法規違反に関するご報告とお詫び」の中で、「特定の時間は一方通行となる標識を見落として進入」とありました。
で、私が添付資料で示した写真の箇所なんですけど、「特定の時間は一方通行」じゃないんですよね。そもそもが逗子方面から進入できない一方通行なんで、「特定の時間は車両が通行できない道」ですよね。私も地元の人と話していて、一体どこのことをおっしゃってるんだろう?と、伝わってなかったです。
ただ、上地市長が記者会見でおっしゃってたのが、「朝早い時間に船越から逗子方面に行くために16号線を行くんですが、その時に、いわゆる、あれかな、湘南信用金庫の裏ですね、あの裏の道を通るのは当然のことながら、あそこに通る時は必ず私あそこに行ってたんで、そこを通りました」とあって、そうすると、やはり(私が)添付資料で示した個所しか考えられない。
・・・などと考えていたら、先ほどの上地市長の提案理由説明では、「特定の時間は進入禁止となる標識を見落として進入し」と変わっていました。
ということで、添付資料で示した個所で、合っていますか?
●上地市長
私の間違いでした。添付資料で示した個所であっています。
▽加藤ゆうすけ
そうですよね。「特定の時間は進入禁止となる標識を見落として進入」が正しいですよね。
上地市長。何のための給与減額条例なのかという以前に、その謝る前提としての交通違反の事実認識と公表の事実内容がまず違ってたんじゃないですか?
▽上地市長
そういうことかもしれませんね。
▽加藤ゆうすけ
市民の皆様からの信頼を損なう行為に対する猛省の示し方として、給与の自主返納をされることがどのような意味を持つのかというのは必ずしも明らかではないなと思ってますが、「猛省している」と先ほどの大村議員の質疑でも何回も聞いていますが、まあ、「分かりました」では済まされないかなと。 本市の交通教育の効果について、疑問を持たざるを得ないですよね。まず、市長から交通法規を正しく理解し直していただくということが信頼回復には必要なのではないかなという意味でも、なぜ給与の返納、自主返納という方向にいきなり行ってしまったんでしょうか。
●上地市長
いきなりというより、私の思いです。
▽加藤ゆうすけ
また市長が、道路交通法違反で取り締まりを受けたのちに選挙の告示を待って、さらに毎日新聞の電話取材があるまで被疑事実は結果的に隠していることになってしまいました。
これは、本件の発覚をなるべく遅らせた方が有利に働くと市民に受け取られても仕方がないのではないでしょうか。
●上地市長
そのようなことは毛頭ないです。
▽加藤ゆうすけ
トップダウン、即決、スピード感。上地市長の特徴ですよね。当該事案程度の案件であれば、14日のうちに公表できるご力量はあったんじゃないかなと思うんですが、それをしなかったのはなぜですか。
●上地市長
猛省をしてるとこなんですが、様々なことを悩み、選挙中だったっていうこともあり、様々なことを考えて、どのようなお伝えをした方がいいかということの内容も含めて考えた時間です。
▽加藤ゆうすけ
猛省してらっしゃって、逡巡してらっしゃると難しいとこあるのかなと思うんですが、ただちょっと確認をしたいのが、先ほど大村議員への答弁で、
「該当箇所を走ったのは全く初めてでした」
「指定方向外進行禁止については知りませんでした」とご答弁されてます。
ただ、いつもあそこ行くとき、あそこ通るんでって記者会見でおっしゃってて、全く初めてでしたというのは記者会見で言っていたことと全く逆なんですが、どちらが正しいんですか。
●上地市長
7時から8時半の間は通ったことがないのでわからなかったっていう意味です。
時々。あそこ、その、前の。そうですね、そういうことですね。たまに通るときは、昔はありましたので。
■■■法令違反への処分状況について――――――
▽加藤ゆうすけ
ここまでで、私の認識している上地市長の交通関連の法令違反に関する内容と、今回、本議案の原因となっている、前提となっている事案というのは同定できましたので、これ以降の部分を続けたいと思います。
まず、言うまでもないことなんですけれど、車検切れ、自賠責保険切れの車両の運転という違反は非常に悪質なものです。交通違反に加えて、車検切れ、自賠責保険切れでの運転というのは、かなり重い行政処分、刑事処分もあり得るというものです。当然、警察に電話しても捜査の状況を教えてもらえるはずもないので、現時点でどのような状況か私は知り得ないんですが、上地市長はすでに免許停止処分になっている理解でよろしいですか?
●上地市長
まだなっていません。
▽加藤ゆうすけ
プライベートのことに関して理由を問うつもりはないので。ただ、毎月当該車両運転されるということで、仮に免許停止処分になった際に職務に支障はないんでしょうか。
●上地市長
職務に支障はないと思います。
▽加藤ゆうすけ
職務に支障はないということなんですけども、なぜ、安全を確保しながら普段職務をこなされてる市長が、あの日、あの時、あの場所にご自身の運転で車で行かれたんでしょうか?
●上地市長
反省をしてるとこなんですが、体調をやっぱり整えなきゃいけない(※1)というふうに思ってましたので。
(※1 記者会見にて、6月14日早朝に、整体のために船越にいたと答えたことを踏まえている)
▽加藤ゆうすけ
確認ですが、私用で運転されていたとのことですが、前後に公務はなかったんですよね。
●上地市長
ありません。
■■■「自主返納」について―――――
▽加藤ゆうすけ
続いて、自主返納について伺っていきます。
今、こうして議案として審査していますので、「自主」で決められるわけではないですよね。
かつ、支給される市長の給料月額を支給する前に減額するのであって、市長に支給されたものを「返納」するわけでもないですよね。したがって、「自主」でも「返納」でもないですよね。
なぜこれを「自主返納」と呼べるんでしょうか?
●上地市長
それ、私の思いを伝えたんであって、一般市民の皆様には「自主返納」と言わないとちょっとわからないというふうに思いました。だから、それをお返しするという意味の方が伝えやすかったというふうに思っています。その意味で「自主返納」という言葉を使っただけに過ぎないというふうに御理解いただければと思います。
▽加藤ゆうすけ
市民のかたへの思いやりなのかもしれませんが、市民のかたも、政治家が寄付をできないことは知ってると思います。市長に一度支給されたものを市に返納することはできませんよね。公職選挙法第199条の2公職の候補者等の寄付の禁止です。違法です。よりによって、選挙期間中に市長に1度支給されたものを市に返納することを上地市長は宣言をされました。なぜそのようなことをしてしまったのか理解に苦しむわけですが、知っていてなお、なぜ自主返納という表現を使ったのか、もう一度ご説明いただけますか。
●上地市長
自主返納には様々なやり方があると思うんですね。今度の減額だけじゃなくて、そのうちの一つだというふうに今回は思っています。
▽加藤ゆうすけ
まぁあとですね、落選した場合、本条例案、提出することは叶わなかったわけですよね。
上地市長はわざわざ選挙期間中に嘘を言うとは考えにくいですので、ほんとにそのままもらったものを自主返納できると思ってらっしゃったんじゃないですか?
●上地市長
仮に落選すりゃくしは何もない人間ですから、それを3ヶ月返納するということも含めて考えてたんです。そういう意味で、ですからそのうちの一つの方法でしかないっていうふうにお話をしています。
▽加藤ゆうすけ
「自主返納」と表明することの重みを我々は感じてこうして質疑をしているわけですが、買収の約束をして当選されているという懸念すら生じる表現ですよね。言うまでもないですけど、公職選挙法第221条選挙人および選挙運動者買収罪で、金銭供与約束ですね。それに当たるんじゃないかっていうことです。
そして、自主返納、1度もらったもの日に返すということができないことがわかりましたっていう撤回は選挙期間中にはありませんでした。
その上でこうして自主返納というふうに表現しているわけですが、「自主返納」とこの議案を言い続けるには無理があるんじゃないですか?
●上地市長
先ほどからわかんないですが、「自主返納」という思いを実現させる一つの手段として、これ今日お渡しした給料減額であって、今言ったように様々な手法があると思っていますが、今言ったように、落ちれば自分で払わなければいけないし、退職金の問題もあるでしょう。様々なことであると思いますが、その手法の1つとしてお返しするっていう意味で、今日は給料減額について皆さんに審査をいただくという意味ですが。
▽加藤ゆうすけ
あんまり市長のお財布の話をするつもりはないんですけれど、自主返納って聞いた時に、経営者の方であれば、多分ピンとくると思うんですが、自主返納の場合、1度上地市長の所得になったお金を支払い元に寄付することですよね。
他方、本議案の場合、そもそもの給料月額0円にするものですので、1度上地市長の所得になっていれば、それは上地市長の収入であって、所得税の算定根拠になりますけど、そもそも給料月額を0円にする場合、お金の移動がないので、上地市長の収入、所得税の算定根拠には影響がないですよね。立て付けが全く違いますよね。
つまり、選挙期間中に約束された自主返納は、本議案では実現されないですよね。これで有権者の方は納得するんでしょうか?
●上地市長
おっしゃるところよく理解ですが、自主返納のうちの一つの形態で今日お出ししてるというふうに理解いただければと思います。
▽加藤ゆうすけ
あくまでも自主返納だと。
これは自主返納なんだということで。
この議案を通すことで執行部及び議会が公正法違反疑いのある手続きを追認する結果になるんじゃないかと危惧しています。
●上地市長
それは議会の皆さんがご判断いただくことだというふうに思います。
■■■秘書課に連絡をしなかったことーーーーーーー
▽加藤ゆうすけ
次に、秘書課に連絡をしなかった理由についてのところなんですけれど、市長の職務を最もそばで常に支えてくださっている職員たちなので、連絡できたんじゃないでしょうか?
●上地市長
あくまで私事なので連絡はしませんでした。18日かな、18日の。18日の朝には連絡はしましたが、それまでは私事なので秘書課には連絡してません。
▽加藤ゆうすけ
ちょっと今、17日が記者会見ですよね、18日の朝とおっしゃいましたけど、記者会見の後ですらまだ秘書課には連絡をしていなかったということですか?
●上地市長
はい。18日の朝です。電話したのは。
■■■相談した「陣営」とはーーーーーーーーー
▽加藤ゆうすけ
他方、市長は「陣営」と表現されていましたけれど、執行部や議会への報告よりも、「陣営」への相談の方が優越したというところで、その理由はどのような部分なんですか?
●上地市長
それは、選挙中であるという理由で。当然、自主返納っていうのは、家族だとか身内だとかと話さなければいけないことなので、その判断はやっぱり職員ではなくて、私の近しい人間だという風に思ったんで判断をさせてもらいました。
▽加藤ゆうすけ
まあ職員の方がどうお感じになるのかというのは、私は職員ではないのでわかりませんが、報告は欲しかったなと思っているのではないかなという気もします。
そして、繰り返しになるんですが、返納は1度受け取ったものを返すという行為ですよね。で、この今回、自主返納を記者会見で約束するという行為をされてますよね。公職選挙法第200条を見ると、「何人も、選挙に関し、第199条に規定する者に対して、寄付を勧誘し、または要求してはならない」として、特定人に対する寄付の勧誘、要求等の禁止を定めているんですが、この相談した上でなお「自主返納」できると上地市長が考えるに至るその過程に上地市長が「相談というか、多分この3人、3人、はい、3人だったと思います」と会見でおっしゃった「陣営」の3人などからの寄付への勧誘または要求はなかったんですか?
●上地市長
全くありません。
▽加藤ゆうすけ
勧誘はなかった。勧誘はなかったけれど、自主返納で行くぞということはお伝えしたんですよね?
●上地市長
はい、その通りです。
▽加藤ゆうすけ
仮にご本人が道交法違反の検挙で混乱をしていて、相談先にもどうしようかという状態だったとして、その対応でさらにこの自主返納、公選法を犯しかねない自主返納という表現を文書図画に残して、記者会見で開陳するという結果になってる事実は、上地市長やその相談を受けた陣営のコンプライアンスの意識が欠如してるんじゃないかな思うんですが、いかがでしょうか。
●上地市長
そう取られるかたもいらっしゃるんでしょうねえ。
■■■違法性疑いのある本議案の取り下げについて―――――――――――
▽加藤ゆうすけ
自主返納の表明をし、撤回しないまま選挙を終えた時点で、違法性の疑いは現時点では完全に拭えないと考えるのが常道かなと思っております。上地市長の法令違反、交通違反は既遂なので、もう起こってしまったことですけれど、この公選法違反疑いの行為についても既遂であると解釈できると考えますが、いかがですか。
●上地市長
私にはよく理解できません、それは。
▽加藤ゆうすけ
よく理解できないということなので改めて伺いますけれども、議会議員としては、自主返納の表明を源流とした違法性の可能性がある本議案に対し、当然賛成することはできないものと考えながら今質疑をしておりますが、この質疑を受けてもなお、執行部の皆さんも含め、本議案取り下げるお考えはないんでしょうか。
●上地市長
いやぁ、ないと思います。
ーーーー■反対討論 会派「一市民」天白牧夫議員ーーー
天白牧夫です。
一市民を代表して議案第7 7号 常勤特別職員給与臨時特例条例 に反対の立場から討論します。
質疑でも明らかになったとおり、記者会見で表明された市長給与の自主返納発言と本議案は同一のものであると確認できました。本議案は自主返納という「思い」を実現する手法の一つ、と上地市長は何度もご答弁でおっしゃいますが、本件はご本人が心の中で思っているだけではなく、記者会見で表明されている時点で、それは既に「思い」ではなく全市民に向けた「約束」であると認められます。よって、一連のご発言は公職選挙法第221条、選挙人および選挙運動者買収罪となる、「金銭供与約束」の可能性があり、実際に自主返納を行えば公職選挙法第199条の2、公職の候補者等の寄附の禁止にあたります。総務常任委員会における質疑では、理由にかかわらず市長の給与を減額することについては適法であるとのご答弁でした。今回はその理由の部分が問題であって、自主返納という文言を選挙中にお使いになられたことについて、これまでの質疑でも違法性を指摘されている通りです。本議案はこの自主返納発言を源流としたものであると認められ、公職選挙法違反を追認するような議案を承認するわけにはいきません。
また、本議案は市民からお預かりしている税金の使途を判断するものであり、明確な説明が求められるものです。委員会質疑においても市長給料月額の3か月分が、原因の解消をするにふさわしい経費の積み上げ等の合理的な算定根拠は示されることはなく、専ら精神論的な内容にとどまっていることから、そもそも本議案が定める金額の妥当性について確認することはできませんでした。
さらには、一旦市長の給与所得となり所得税の算定根拠になったお金の返納ではなく、本議案のようにそもそも給料月額をゼロ円にする場合、上地市長は3か月分の給与に対する所得税を余計に支払う必要がないままに、既に有権者に約束をした自主返納を完遂させることが可能です。給与3か月分の自主返納と一旦は表明したものの、公職選挙法違反の回避だけでなく、いわば、ご本人のお財布にとっても痛みを伴わない清算方法であり、単なる節税対策なのではないかと、感じる市民もいるのではないかと、先の質疑を伺って感じました。市民にとって誠意ある姿勢とは到底言い難い内容であると感じます。
以上、法規上も算定根拠の面からも、さらに市民に対し真摯な姿勢を示す目的に照らしても、本議案は不適切であると言わざるを得ません。また、市長給与を自主返納するという判断過程において執行部や議会を軽視し、私的な陣営の方のみに相談するという、現職の市長としては考えられない不透明な意思決定をされておりました。議案の上程ではなくプライベートな範疇で清算を完結させるというのであれば、そのご判断方法は矛盾がありませんが、今回はそうなりませんでした。街の顔とも言える市長という存在が起こした不祥事に対し、議会への説明が本日までなされずご自身の選挙を優先されたことは、多選によるおごりがあったと言わざるを得ません。
最後に、今回の一件で横須賀市長は交通法規も守れない市長と言うことが日本中に知れ渡りました。これは一市民としてとても恥ずかしいことです。上地市長もご存じのこととは思いますが、現在インターネット上の主要ニュースサイトのコメント欄では、本件を起因として全横須賀市民を対象属性としたヘイトスピーチが過熱しています。
当然このような理不尽なヘイトスピーチは私も容認できるものではありませんが、差別や偏見のない社会の実現を政治家の目標とされている上地市長自らの言動によって、横須賀市民全員がひとくくりにされてこのような被害に遭っていることは、非常に残念でなりません。おそらく上地市長ご自身も、ご自身のしたことにより横須賀市民が差別や偏見を受ける結果となっている現状は、大変悔しく感じておられると思います。
私はこれまでも公言している通り、政策面では一致を見ない点はいくつかあるものの、上地市長は情熱をもって市政運営に強いリーダーシップを発揮してくれ、人としてとても尊敬しています。ですからなおさら、この度の交通法規違反を公職選挙法違反行為で上塗りしてしまうというこれまでにない判断能力の低下を垣間見ることになり、非常にショックでした。正直でかっこいい上地市長のままでいていただきたかったです。これ以上ご自身の社会的評価を下げていただきたくありません。そしてこれ以上横須賀市民を辱めないでください。
議員の皆様におかれましては、市長給与の自主返納にまつわるご判断を、コンプライアンスの欠如と取られても仕方がないとする先ほどの上地市長のご答弁にもある通り、法令上も額面上も疑問の残る本議案は否決すべきです。本条例案はいわば自主返納実現条例案ともいえるわけですが、公職選挙法に照らし合わせても論理破綻していることはこれまでの加藤ゆうすけ議員の質疑でも示された通りです。上地市長が記者会見で表明された市長給与の「自主返納」をしていただくかどうかは、議会や執行部を巻き込んだ条例案ではなく、ご自身の給与所得の中からご自身の責任においてその可否をご判断されるよう促していただければと存じます。
ご清聴ありがとうございました。