2025年08月21日
【「若者」って、誰だ?の議論】(2025年8月19日 第4回未来を担う若者支援検討協議会
第4回「未来を担う若者支援検討協議会」(2025年8月19日)
8月19日、未来を担う若者支援検討協議会を開会しました。今回は、市長室・経営企画部・福祉こども部・地域支援部から現状報告を受け、若者参画をどう実装・定着させるかを中心に議論しました。なお会派構成の変更に伴い、研政会から長谷川昇委員が新たに委員に就任しています。
行政側からの報告の要点
- 福祉こども部:「第3期こども未来プラン」における若者の社会参画・意見表明の取組を説明。意見を言える環境づくりと、大人側の意識改革の必要性に言及。
●説明資料
https://drive.google.com/file/d/1YBJzmbiNrgY8XSvQFnNd3AsWhD4oclMa/view?usp=sharing
- 経営企画部:「はたらく課」—高校生×若手職員の協働プロジェクト—を本年9月発足→翌年2〜3月に一区切り。まずは高校生と若手職員の人材育成を主眼としつつ、得られた示唆の政策反映も視野に。
※説明は福祉こども部の資料に掲載
- 地域支援部:町内会・自治会アンケートの結果(若年層の地域つながりの希薄さ等)と、役員活動の簡素化や開催時間の工夫など既に進む見直しの共有。
●説明資料
https://drive.google.com/file/d/1y2AbubwIH8i-lj5Bnjs4D1mwFe2FzQHZ/view?usp=sharing
- 市長室:人権・ダイバーシティ推進課から、 ジェンダー平等政策をめぐる国の動向と、男女共同参画白書をもとにした若者・女性の動向に関する説明。
●説明資料
https://drive.google.com/file/d/1IDA_QXTDZ5T84uMog7RYi5smumBhr5nW/view?usp=sharing
加藤ゆうすけから提示した論点
- 18歳の壁を越える継ぎ目のない支援
制度・補助金・所管の違いで生じる切れ目を埋め、若者が途切れなく支援につながる設計の必要性を提起しました。
- 単なるお気持ち表明で終わらない「こども若者への決定権の付与」へ
若者政策の要は、自分たちに関わることを自分たちで決められる仕組み(決定権の付与)だと説明しました。
- 成果を政策へ
はたらく課の取り組みについては、人材育成にとどめず、得られた示唆を政策サイクルに組み込むことを要請。総合計画審議会での審議会委員としての若者参画の成功事例を庁内で共有し、他審議会へ展開するよう求めました。
- 意見表明をしてくれたこども若者への結果のフィードバックの制度化と、国動向との整合
こども家庭庁のガイドラインが示す、意見表明をしてくれたこども若者への結果のフィードバックの徹底を確認しました。
- 若者政策×ジェンダー政策の結節点強化
第6次男女共同参画基本計画(素案)で若年層の声を踏まえたジェンダー平等政策推進の方針が明記された点を挙げ、若者政策×ジェンダー政策の結節点を強化するよう提起。
各委員の主な論点
- 長谷川昇委員(研政会)
- 「はたらく課」の体制・人数(若手職員10名/高校生20名を想定)や9月〜翌2〜3月の進行を具体的に確認し、若者の声を意見聴取で終わらせず一定の成果物として扱う意思を求めていました。
- 井坂直委員(日本共産党)
- 国の男女共同参画白書で示される地方若年女性の地方敬遠傾向が横須賀にも当てはまるのかを問い、アンケートだけでなく直接の意見交換で本音を引き出す重要性を強調。未成年の審議会参画では保護者同意や発言保証など実務的条件整備に留意を求めていました。
- 大貫次郎委員(自由民主党)
- 町内会の若者参画を「未加入でも活動参加→地域の良さを知って加入へ」と段階的に捉える視点を提示。役員免除・会合時間の工夫など柔軟な受け皿づくりや、未加入の若者にも届く情報発信を求めていました。
- 泉谷翔委員(自由民主党)
- 地域支援部の具体策を問い、研修会に加えて何を進めるのかを質問していました。
- 川本伸委員(公明党)
- 町内会側からのデジタル化・運営改善の要望状況を確認し、地域ごとの温度差を踏まえた実装を確認。
- ひろなか信太郎委員(日本維新の会)
- 「はたらく課」の成果を市施策に反映させる仕組みと、単年度で終わらせない継続枠の確保を質問。市側からは、国補助3年間が念頭にある取り組みと説明あり。
次に話し合っていくべきと加藤ゆうすけが考えていること
- 若者参画の旗振り役の明確化
質疑でも出ていたのですが、若者を様々な審議会へ常設登用すると考えた際に、それを全庁で進める司令塔がどこなのか、というのははっきりしません。まずは児童福祉審議会で先行事例を作り、各部局へ横展開するという答弁に留まっており、組織設計も課題として残っています。
- 若者としてとらえる対象年齢
若者とは何歳を指すのか?の合意形成が必要です。未成年者を含む場合、その接し方(保護者同意をどのようにとるか、発言機会の発達段階別保障等)の具体化も必要です。なお、加藤ゆうすけとしては、新城市を参考に、おおむね13〜29歳を想定しつつ進めるのがよいのではと考えています。
- 地域参画の入り口設計
どうしてもこうした取り組みは、意識の高い・ある程度大人側から選ばれた若者ばかりになりがちです。どんな若者も参加できる緩やかな参加モデルと、開催時間の工夫、いままで市役所・市議会が届けられなかった若者への情報発信をセットで進めたいところです。
まとめ
全般的に「どうやって若者の声を聴くのか」「若者の声をきいて、どうするのか」について話し合う時間でした。私は、切れ目のない支援設計(18歳の壁超え)と、決定権の付与、お話を聞きっぱなしにせず、結果をちゃんとフィードバックすることの徹底を引き続き求め、「若者会議/若者議会の実現」「審議会への若者登用」「若者の居場所整備支援」の3点を実現すべく意見交換を続けます。
次回以降は、「どうやって若者の声を聴くのか」の部分について、特に有識者にご意見をあおぐにはどうする?どうやっていろいろな若者の話をきく?という具体的な合意形成に踏み込んでいきます。
※本ブログは、当日の加藤ゆうすけメモと市説明に基づいて作成しています。引用は発言趣旨の要約であり、詳細は当日の記録をご参照いただきたいところですが、未来を担う若者支援検討協議会はインターネット中継および公開議事録がないため、ぜひ次回以降積極的に傍聴にいらしてください!