2025年11月01日

【若者政策は”コスト”なのか?】(2025年10月31日 未来を担う若者支援検討協議会)

10月31日の未来を担う若者支援検討協議会の報告です。

■今回の会議で決まったことと、持ち越しとなった論点

 10月31日の「未来を担う若者支援検討協議会」では、これまで議論してきた他市の条例や取組の比較をもとに、
横須賀市が今後どのような柱立てで若者支援を進めるかを整理しました。
 今回の協議では、大分市の計画にある項目を柱にして、それを残すか/残さないかというジャッジを下す形で会議が進みました。
以下のような点が「今後検討していく項目」として合意されました。

  1. 若者の意識やトレンドに係る情報収集に努める
  2. 若者にとって身近なSNS等を活用して情報発信を行う
  3. 若者同士や異なる世代との交流を促進する

一方で、そもそも条例制定するやいなやという最も重要な部分や、その他の項目についての具体的な内容に踏み込んだ部分は議論が分かれ、次回以降の協議に持ち越しとなりました。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

条例で比べるべきでは?「取組の羅列」でいいの?

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
今回、議会局が作成し正副委員長から示された比較資料(大分市・新城市・富田林市・永平寺町・湯沢市)は、各地のいわゆる若者条例に基づく取組を並べたものでしたが、実際の協議では、その「取組の比較」をベースに話を進めるか、「条例そのもの」を比較対象とするかで大きな意見の分かれがありました。

https://drive.google.com/file/d/1n6QnX2W-L5iFNAQcdsKGp4G2GLRz9G69/view?usp=sharing


私は次のように指摘しました。

「取組を比較する上で、条例の条文を見ていくことも必要になる気がするんですけど、それはいかがですかね」

つまり、条例に根拠をもつ事業を「事業単位」で比較しても、レベル感が揃わず、論点がぼやけてしまうという問題です。

意見が分かれました、と書きましたが、この指摘をしているのはひとまず私だけなので、私だけが異議を唱えた格好です。
実際、新城市の若者議会や湯沢市の広報施策など、資料上で「空欄」とされた取組も実際には条例に基づき存在しており、比較表としての妥当性に疑問を呈しました。

しかしながら、正副委員長からの説明は

「条例を並べる手法ではなく、今回はまず取組を精査して、その上で条例にするか政策提言にするか考えたい」

というもので、特段他の委員からも意見は無く、 結局、「条例比較」という本筋の議論は退けられ、今回は方向性の整理だけとの結果となりました。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

若者政策は、”コスト”なのか?

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
協議の中で印象的だったのは

「今以上に財政負担となるようなものはやるべきでない」

という論調でした。
さらに、「既にやっている」「これ以上項目に入れる必要はない」という意見も相次ぎました。

若者政策は「コスト」なのでしょうか?では、なんのために、この会議を…?


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

それでも前進させるためには

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
今回の協議で、形式上は、

  1. 若者の意識やトレンドに係る情報収集に努める
  2. 若者にとって身近なSNS等を活用して情報発信を行う
  3. 若者同士や異なる世代との交流を促進する

という部分は、検討を進めることの合意ができました。

しかし、
【市に対して事業やアイデアの提案等を行う若者会議を設置する】
【審議会等の委員への若者の参画を促進する】
【若者に対し、政治や選挙意識の高揚を図る】
といった部分は、検討は進めるとしながらも、実際には、かなり後ろ向きな議論になることが想定される経過となっています。

「条例制定を先に議論するのは時期尚早」発言が相次ぐなかですが、本テーマは、そもそも政策検討会議で条例化を目指すという前提で選んだものです。
条例が、前提なはずなのです。
ましてや、市側が取り組みをしてこなかった、あるいは取り組みに後ろ向きな若者政策ですから、議会側からの強い姿勢=議決権を通じた条例制定という力が最も必要な領域です。

そして、若者のための条例は、単に“夢を語る場”ではなく、ましてや“お飾り若者参画の象徴“ではなく、“若者の権利を保障し、若者の大人への移行を助け、若者とともにまちをより良いものへと変えていくための力”になるはずです。
なかなか厳しい局面ですが、形式的な検討で終わらせず、次回こそ具体的な制度設計へと踏みだしたいと、思っています。

SHARE

facebook アイコンfacebookでシェアx アイコンXでシェア
この記事のタイトルとURLをコピーするタイトルとURLをコピーしました!

関連記事