2023年12月04日

【放課後児童クラブの待機児童】(2023年12月4日 民生常任委/分科会)

12月定例議会、今週は委員会審査に入りました。

■待機児童問題は、保育園に加え、学童クラブ(放課後児童クラブ)でも深刻


かつては「保育園おちた」と報道で大いに問題視された待機児童問題は、その児童たちが小学生になり、学童クラブ(放課後児童クラブ)の待機児童問題として新たな展開を各地で迎えています。横須賀市も例外ではなく待機児童が発生、問題視されております。2023年度当初の人数にして、50名のお子さんが、クラブに入れませんでした。

放課後児童クラブは、法に定められた仕組みです。

放課後児童クラブ、通称”学童クラブ”は、法律上【放課後健全育成事業】といい、児童福祉法6条3の2において「小学校に就学している児童であつて、その保護者が労働等により昼間家庭にいないものに、授業の終了後に児童厚生施設等の施設を利用して適切な遊び及び生活の場を与えて、その健全育成を図る事業」と定義されています。

保護者がいない間のこどもが、安全に、健全に過ごせる場をつくる、大切な仕組みです。
これがなければ働き続けられない保護者も出てしまうため、学童クラブの待機児童問題は保育園と同じくらいに深刻ですが、「こどもは放課後どこか野原や公園で遊んでいればいいんじゃないの?」という昔の子育てのイメージが語られ軽視されがちだったという問題も併せ持っていました。

しかし、いまや、学童クラブの待機児童問題は、各地で語られ、本市議会でも高い関心がもたれています。

今回の補正予算議案は、すでに待機児童発生がほぼ確実となった5学区(衣笠小、公郷小、山崎小、神明小、野比小)で、2023年4月1日から新たに、民間のかたが学童クラブを開所することとなったので、それに必要な補助金(施設改修費、家賃・礼金、備品・防災用備品等購入費、放課後児童支援員等雇用など)の分を計上するものです。

■保育ニーズは高止まりだが、こどもは急速に減っていくという局面


 一方で、いま日本全体は、「保育ニーズは高止まりだが、こどもは急速に減っていくという局面」にあり、本市も同じ状況にあります。
 民間団体が保育ニーズにこたえるべく、新規開所してくださることはとてもありがたいというのは大前提の中で、一方で「ではいつまで、この人数の保育ニーズが、どの地域で発生するのか?」の予測精度は高めなければ、せっかく手をあげてくれた団体の存続も難しく、税を原資とする補助金がうまく効果を発揮できません。

 また、「日本一高い保育料」と言われた本市の学童クラブの保育料は、下がりつつあるものの、まだ全国と比べれば高い水準にあり、本当は利用したいけれど、利用できず、したがって就労できないという保護者もいます。

 さらに、放課後子ども教室という、「小学校の全児童(1~6年生)を対象に、放課後に学校が使用していない教室等を利用して、安全・安心な子どもの居場所を設け、自由遊びや多様な体験・交流活動を行う事業」、つまり、学童クラブとは別の事業が今、全校配置に向けて進められています。(我が母校の浦賀小学校も12月7日から始まります https://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/2645/houkagokodomokyousitsu_goannai.html)

 我々としては、
★放課後子ども教室と学童クラブは、一体的運営として、学校の校舎を利用して、費用削減効果を得ながら保護者にもお子さんにもわかりやすく安心して過ごせる場所をつくること 

★待機児童対策等の理由もあって民間に都度お願いする状況は理解しつつも、公設の学童クラブも作っているのだから、公設の学童クラブはどのようなサービス内容・価格があるべき姿なのかか基準を示すこと 

といった部分を、数年来求めて続けています。

 今回のように待機児童問題がより深刻になることがほぼ確実となっている来年4月1日に向けては、緊急的な対応で待機児童が少しでも減るようにしていただく必要がありますし、今後も待機児童が見込まれる学区に対しては市側から速やかに支援すべきと思いますが、

「短期的には保育ニーズは増える、でも今後確実にこどもが減る」

という、民間としては見通しの立てにくい局面だからこそ、民間頼みではなく、市が直接保育ニーズを引き受けていくべきだと思います。今日の質疑でよこすか未来会議のメンバーからも質疑で提起しした通り、市のこどもの放課後の過ごし方が今後も安全なものになるように、将来の見通しを正確に持つという部分にも、より一層力を入れてほしいと思います。


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