2024年09月18日
【議会基本条例に”ジェンダー平等”】(2024年9月18日 本会議)
9月定例議会も折り返し地点です。
9月18日の本会議で、議会基本条例検証特別委員会の中間報告が行われ、
・第6条「議会活動原則」に、「ジェンダー平等をはじめとした人権尊重の理念にのっとり、多様な議員が議会活動を行うために必要な環境を整備するよう努めること」という条文を追加すべきものと決定した
ことの報告がありました。
本条文の追加を巡っては、7月26日の委員会でまずは議論を行い、
(参考:【「社会に求められる多様性」?】(2024年7月26日 議会基本条例検証特別委員会)
https://www.katoyusuke.net/blog/24072901
8月27日の同委員会で条文追加を決定しました。
※なお、私は、葉山なおし議員がよこすか未来会議から抜けた影響で、各種委員会・会議の人数構成に変更があったため、8月27日以降の同委員会からは委員を外れています。
ジェンダー平等を巡っては、「ジェンダー平等」と声をあげるだけで、特にインターネット上を中心に、ものすごい誹謗中傷を浴びせる人がたくさん出てくるような状況が未だにわが国にはあります。
そんな中、政治分野における男女共同参画の推進に関する法律が改正された趣旨を踏まえ、議会基本条例見直しのタイミングで、この条文をきちんと反映させることのできる横須賀市議会を、私は誇りに思います。
なお、このあと、市議会での検証結果を踏まえ、地方自治法第100条の2の規定による専門的事項に係る調査としてお二人の学識経験者に評価を依頼しますので、実際の条例改正はまだ少し先になります。
ーーーー委員長報告書き起こしーーーー
▽青木秀介 議会基本条例検証特別委員長
ただいま議題となりました議会基本条例検証特別委員会における審査の経過と結果の中間報告を申し上げます。
本委員会は、制定後13年が経過した横須賀市議会基本条例について、 改めて全体を俯瞰し、議会として条例の理念を実現できているか検証を行うべく、令和5年10月4日、本会議において設置され、これまで延べ10回の会議を開き、審査を進めてまいりました。
条例の検証においては、まず、条文1条ごとに規定された内容に基づくこれまでの議会の取り組み状況等について、客観的な事実や数値をもとに確認を行いました。
次に、この取り組み状況等を踏まえ、各会派及びオブザーバー参加の無会派議員により、目的が達成されているか、現在の条例に過不足がないかという視点で一条ずつ評価を行いました。委員会においては、それぞれの評価に対して積極的に意見が出され、活発な議論が重ねながら、委員会としての評価を求めてまいりました。 評価方法は4段階で、条例の目的に達成度を表し、評価の理由を記すとともに、条例改正または運用変更の必要性についても示すこととしました。また、全34条の評価が終わった後、複数の会派から新規の条文を追加する提案があり、協議の結果、第6条議会の活動原則に新たな項目を追加することと決定いたしました。
ここで、審査において特に活発な議論が展開された3点とそれぞれの主な意見を申しあげます。
1点目は第13条、請願及び陳情の評価についてです。 本条は、請願および陳情を市民による政策提案と位置づけ、真摯に取り扱うものとし、さらに、請願者、陳情者の求めに応じて意見陳述を行うことができることを規定するものです。この意見陳述のあり方について、現状として効果的に陳述が行われているとは言えないケースもあることから見直しが必要ではないかという意見や、 直接陳述人の意見を聞くことに意義があることから、内容は当人に任せてもいいのではないかという意見、そもそも意見陳述の趣旨を陳述人が十分に理解できていない可能性があるといった意見がありました。
なお、本件につきましては、 協議の結果、意見陳述については、議員がより的確に含意を把握できる場となるよう、陳述人への説明を含め改めて検討する必要があるという趣旨の内容を委員会としての評価に盛り込むことと決定しました。
2点目は、第14条、市民参加の評価についてです。
本条は、議会が市民との意見交換の場を多様に設け、市民からの政策提案の機会拡大を図ることを規定するものです。この中で、市民から意見の、市民からの意見を施策に反映する手段の1つであるパブリックコメント手続きを本条例に位置づける旨の提案があり、これに対して、現状は要綱に基づいて特に問題なく運用されており、あえて改定する必要がないのではないかという意見や、 市が同手続を条例でしていることから、二元代表制の一翼担う議会も条例に位置づけるべきであるといった意見がありました。
なお、本件につきましては、その後も継続して議論を重ねた結果、市民からの意見を聞く機会の重要性を考慮し、議会が市政に関する基本的な施策等を策定する場合はパブリックコメント手続を有効に活用する旨の規定を第14条に追加すべきものと決定しました。
3点目は、平成22年に制定した本条例に今新たに追加すべき条文として複数の提案がありました。
いずれも議会の多様性を保障するための条文でありましたが、その多様性をどのように捉えるかという点で様々な議論が交わされました。具体的には、妊娠、出産、障害などの身体的理由や育児、介護などの社会的理由といった様々な事情を抱えた議員が議会活動を制限されることがないような包括的な規定にすべきという意見や、政治分野における男女共同参画の推進に関する法律が改正された趣旨を踏まえ、あえて今、本市議会としてジェンダー平等を目指す取組みを不断に継続していく姿勢を明文化することが重要であるといった意見がありました。
なお、本件については、協議を重ねた結果、第6条「議会活動原則」に、「ジェンダー平等をはじめとした人権尊重の理念にのっとり、多様な議員が議会活動を行うために必要な環境を整備するよう努めること」という条文を追加すべきものと決定いたしました。
また、本委員会では、当初から、検証が客観的でより説得力のあるものとなるよう、外部評価導入の必要性について議論を行ってまいりました。その結果、関東学院大学との包括的パートナーシップ協定を活用し、地方自治法第100条の2の規定による専門的事項に係る調査としてお二人の学識経験者に評価を依頼するとともに、 本委員会において意見を聴取するため参考人として招致することと決定しました。
今後は、外部評価の結果を踏まえ、委員会としての最終評価に向けて引き続き議論してまいります。
以上で中間報告を終わります。