2023年09月22日

【幼児期のこどもと性】(2023年9月定例議会 決算審査)

    9月定例議会も後半に入り、決算審査をしています。
    2022年度(令和4年度)の決算議案について、各常任委員会(予算決算常任委員会分科会)別に、詳細な審査を行います。

    9月22日は、予算決算常任委員会環境教育分科会にて、市長室、および環境部の決算議案審査に、臨みました。

    ーーーー

    ■保育士向け男女共同参画と多様な性に関する研修会


    決算審査は、過年度の事業執行が適切に行われたのかを決算書および決算説明資料を基に審査する機会です。その年度執行された(あるいは予算化されたのに未執行だった)あらゆる事業が対象となりますので、その気になればすべての数値を一つ一つ問いただすことも可能です。ただ、時間制約はありますので、おおむね各部局数時間、各分科会は2日~3日程度に日程を分けておこないます。

    2022年度には、「保育士向け男女共同参画と多様な性に関する研修会」という事業が執行されました。2021年に加藤ゆうすけも質疑し、これの実現を望んでいて、担当課も熱心に取り組まれ、実現した事業です。

    市立保育園の園長・副園長・保育士に対して、多様な性の在り方について伝え、幼児期のこどもに適切に接することができるようにしてもらうための事業で、講師は男女共同参画及び多様な性の尊重に関する審議会委員を務められている専門家が行いました。素晴らしいかたで、本市も頼りにしています。セクシュアルマイノリティ・LGBTIQA+・性別違和、といった視点からの研修に強みを持っていらっしゃるかたです。

    そのうえで、加藤ゆうすけとしては、
    複数回研修ができるならば、そのうち何回かは、文部科学省的な言い方で言えば、生命(いのち)の安全教育的な視点から行うこともできたのではないか
    「幼児期に起こりやすい子どもの性に関する出来事についての対応方法、幼児からの性に関する質問への回答方法、幼児が性について学べる絵本の紹介など、明日から保育士に使ってもらえるアイデアの伝授などもいいのではないか」
    といった点について、確認をしました。

    これに対して、課長からは、
    「今委員からお話ありました通り、生命の安全教育ということで申しますと、子どもを守るとの視点からも、また私共の第6次男女共同参画プランの趣旨からしましても、保育現場で生命の安全教育について学ぶということは意義あることだと私どもは考えますので、今日、委員からご意見いただいておりますので、その辺につきましては、保育現場に申し伝え、共有したいとおもいます。」
    と答弁がありました。

    ーーーー

     性教育の取り扱いが難しいことは、なんとなく行政関係者でなくともご存じかと思います。
    詳しく論じると長編になるので載せませんが、日本では性教育がタブー視されがちでしたので、行政運営上もあまり取り扱われなかった歴史はあります。

     しかし、最近では、こども自身が自分の心身を大切に扱えるようにという視点や、こどもへの性被害から子どもを守るためという視点など、様々な点から、行政でも議会でも頻繁に取り上げられるテーマとなりました。

     一見すると決算審査と性教育は全く結びつきませんが、行政の行うあらゆる事業を審査する点で、9月定例議会は、とても幅の広い審査機会となっています。



    ーーーーー以下、答弁の書き起こしーーーー

    ■p24 男女共同参画推進事業費 ②保育士向け男女共同参画と多様な性に関する研修会 3回

    ▽=加藤ゆうすけ
    保育士向けの、ジェンダー平等と、多様な性に関する研修の必要性は、2021年に私も質疑をいたしまして、その後こうした形で2022年に実施されて、そして2022年度の予算審査の際は私も所管の委員会に所属をしていて、というところで関心を持っています。まず、この3回の講師は、どなたが務められたのでしょうか。
    ●=人権・ダイバーシティ推進課長
    今回の保育士の研修のテーマは、セクシャリティ、多様な性に関わる研修でしたので、ダイビーノンの飯田委員にお願いをしております。
     
    ▽男女共同参画及び多様な性の尊重に関する審議会委員を務められている、飯田様だと思うのですけれども、内容としては、どのようなものだったのでしょうか?
    ●まずは、性が多様であるということ、グラデーションであるということを、まず認識していただくということと、性別で決めつけない保育が大事だということを研修の中で伝えております。
     
    ▽3回という内訳について伺います。3回とも対象者が違って、3回とも中心になる内容はある程度同じで、対象者の役職や役割に応じて内容を少し変えるといった形だったのでしょうか?それとも、3回とも対象者は同じで、3回の内容は、3回聞いて初めてつながるような一連のものだったのでしょうか?
    ●同じ内容を3回行っています。まずは第一回目は園長を中心に受講し、そのあと副園長、そのほかの保育士と3回、同様の内容で実施しております。
     
    ▽決して、この2022年度の講師の方が悪いという意味ではないのですが、飯田委員は、性の多様性という文脈の中で、とりわけご講義いただくのに強みを持っていらっしゃることを感じます。セクシュアルマイノリティ・LGBTIQA+・性別違和、といった視点から強みを持っていらっしゃると思います。3回やって、対象者が違ったとのことで内容がおなじだったのは理解ができたのですが、背景の議論として、複数回できるならば、そのうち何回かは、文部科学省的な言い方で言えば生命(いのち)の安全教育的なみたいな話になりますけど、未就学児に対して具体的にどのように声をかければよいかみたいな部分で、特に、性別に偏らない声掛けというのは今お話しいただきましたけど、
    ・幼児期に起こりやすい、子どもの性についての対応方法
    ・幼児からの性に関する質問への回答方法
    ・言葉や文章で幼児に伝えるのが難しいので、絵本で楽しく学んでもらうにはこういう絵本がいいですよ
    など、いろいろな角度から、明日から保育士に使ってもらえます、みたいな部分を伝授するというアイデアもあり得たのではと思いますが、このあたりの講師選定の経緯や、対象者をどうしてこのようにしたのか、内容についてどうしてこうなったのかなど、ご記憶の範囲で、どんな議論がありましたか?
    ●研修のテーマは、保育現場に事前にアンケートを行い、テーマを決めました。そのうえで、先ほども申し上げた通り、令和4年度は多様な性を中心のテーマで3回行いました。その結果、効果の高い研修とのことで、ぜひ多くの職員に同じ研修を受けさせたいとの声が令和4年度終わったときにありましたので、令和5年度は同様の内容で3回実施を予定しております。
    ただ、今委員からお話ありました通り、生命の安全教育ということで申しますと、子どもを守るとの視点からも、また私共の第6次男女共同参画プランの趣旨からしましても、保育現場で生命の安全教育について学ぶということは意義あることだと私どもは考えますので、今日、委員からご意見いただいておりますので、その辺につきましては、保育現場に申し伝え、共有したいとおもいます。

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