2022年04月27日
【コグニサイズとコロナ禍】
「コグニサイズ」という言葉をご存じでしょうか。
cognition(認知)+exercise(運動)の造語で、体を動かすことと頭をつかうことを同時に行う運動プログラムをこう呼びます。国立長寿医療研究センターが開発したとされますが、各地の高齢者向けイベントなどで取り組まれており、そのパターンも様々なようです。
この日、私の所属している「ゆいの広場」総会後に、コグニサイズが実施され、私も楽しみました。「ゆいの広場」は、市内でも高齢化率が最も高いグリーンハイツにお住まいのかたがたを中心に、住民生活を支え合うことなどを目指して作られた団体です。市内の住民支え合い活動の中でも最も活発な団体の一つで、私も参加して様々な気づきをいただいています。
【代表の石塚さんの記事:タウンニュースより】
https://www.townnews.co.jp/0501/2021/09/17/592065.html
さて、コグニサイズ自体はは、両手両足を別々に動かす、右手と左手で別々に数を指折り数える等、誰でもどこでも取り組める内容なのですが…
これが、とにかく難しく、そして楽しいのです。
誰でもどこでも取り組めるからといって、誰でもできるほど簡単ではなく、頭を使いながらでなければ、体も動かない、というのがポイントです。
私の運動能力が低いだけなのでは…という説も、これは普段なかなかやらない動きに取り組むところに意味があって、その意味では若い人も高齢者も同じ条件なのですよという心優しい説もありますが、とにかく、「ああ、できない!」などと言いながら必死に取り組む中で、自然と皆笑顔になります。
その中で、気づいたことがありました。
コロナ禍でマスク生活も2年が経過し、相手の表情が見えない日々が続くことばかりが気になっていたのですが、むしろ表情を失くしていたのは、自分だったのではないかということです。感情の変化はあれど、マスクをしているがゆえに、それをマスクの下で表現してもなかなか相手には伝わらないので、自然と表情が平板になり、それに引きずられて感情の変化まで乏しくなっていたように思います。
この日、コグニサイズを通じて、実によく笑いました。自分の体が思い通りにならないこと、それを皆で確認し合いながら楽しむことが、これほど楽しいとは思いもしませんでした。
講師の高澤裕子先生の進行も素晴らしく、30分以上あるプログラムも、あっという間でした。「笑い の力」と先生もおっしゃっていましたが、きっと皆が笑い合える時になって初めて、コロナ禍が真に終わりを迎えるだろうなと思いました。