2024年03月05日
【 車いす対応トイレの無い学校で、車いす利用者は災害時どうすればいいの?】(2024年3月5日予算決算常任委環境教育分科会・あと代表質問)
能登半島地震では、トイレの汚物の処理が問題となっていますが、私たちとしては以前より、「誰にとっても安心なトイレか?」というのを、平時・災害時それぞれ、かなりこだわって質問しています。
去る2月の代表質問でも、よこすか未来会議からは、「災害とトイレ」に関する質問を様々な角度から行いました。
ーーーー▽代表質問項目ーーーー
2 取り組むべき喫緊の課題について
(6) 防災・減災について イ 震災時のトイレに関する課題について
(ア) 平時からの携帯トイレの使用に関する周知啓発について
(イ) 移動式トイレの導入について
●代表質問に対する答弁
(ア)現在は、地域の防災リーダーを育成する講習会や 避難所運営訓練のほか、出前トークや小学校での防災教育などの場を活用して、使用方法に限らず備蓄の必要性などを周知しています。
今後は広報よこすかや安心・安全カレンダーなど紙媒体に限らず、youtubeやsnsを活用してまいります。
大規模地震により携帯トイレを使用するときは、トイレの各個室に使用方法を張り出すなど、誰もが簡単に使用できるように対応します。
(イ)横須賀市は小学校、中学校を震災時避難所として指定しており、 上下水道局が上下水道が使用できない状況であっても、携帯トイレであれば既存のトイレスペースを利用することができます。
また、携帯トイレについては、使用後ある程度の期間保管が可能である・ゴミ収集車で燃せるごみとして収集できるために、収集効率も高く、1日に約10万人の携帯トイレを収集することができます。
一方、移動式トイレについては、汚物を流すために水の保管が必要であり、1台1日約200人200人分の利用で汚水タンクが満杯になります。 特に就寝前には大勢の方が利用するために利用されるために、すぐに満杯になり、次の汲み取りまで利用できなくなるとの報告もされ、問題も大規模になってきています。
このことから、横須賀市としては、携帯トイレの備蓄の充実を図るとともに、市民の皆様にも携帯トイレの備蓄を推奨していきたいと考えています。
ーーーー▽代表質問ここまでーーーー
この質疑も踏まえて、予算決算常任委員会環境教育分科会にのぞみました。
■車いす対応トイレの無い学校で、車いす利用者は災害時どうすればいいの?
横須賀市内の学校のうち、全小中学校(小学校46校・中学校23校)が震災時避難所に指定されています。大規模地震がおきると、各震災時避難所の運営委員会が立ち上がり、避難所を開設します。(基本的に、震災時避難所=住民が自分で立ち上げるものです。まだ開設訓練に参加したことのない方、ぜひおすまいの町内の訓練に一度ご参加ください!)
手順や部屋割りは各避難所ごとに異なりますが、「震災時避難所運営マニュアル」のテンプレートがあり、市はこれを徐々に改良しながら、各震災時避難所にも、日ごろから考えておくべき必要事項を順次伝えています。
今回の新年度予算案は、能登半島地震の惨状を踏まえ、災害応急対策事業が大幅に拡充されています。その中で、災害時用の携帯トイレの備蓄も大幅に増やされ(現状3日分→7日分へ)、かつ、「和式トイレの洋式化ユニット」を大量に買い増しし、全和式トイレを簡易洋式化することにしました。
「和式トイレの洋式化ユニット」とは、要するに、和式トイレにかぽっとかぶせて、洋式トイレのように座れる形にするものです。避難所となる学校のトイレはいまだに和式が多く、今回購入する1448個のうち、学校の避難所用が1345個であり、すでに各避難所には4個ずつあることから、市内小中学校の和式トイレは平均すると23か所/校くらいはあることになります。
今回、私が質疑で課題として取り上げたのが、ブログのタイトルの通り、
【車いす対応トイレの無い学校で、車いす利用者は災害時どうすればいいの?】
という点です。
市内小学校10校・中学校5校には、いまだに車いす対応トイレがありません(2022年12月1日調べ)。車いす利用者は、たとえ介助者がいたとしても、この15校に震災時避難をして、トイレに行けるか不明な状況ですので、この点を踏まえて、今回の災害応急対応事業の大幅拡充に、障害の視点があるかという質疑をしました。
質疑の結果も、やはり、今回の和式トイレの洋式ユニット設置による簡易な洋式化では、車いすまでは想定されておらず、携帯トイレの次に重要な仮設組み立てトイレは和式しかなく、車いす利用者の震災時避難所生活が不可能であると言わざるを得ない状況が、改めて浮き彫りになりました。
以下に質疑メモを掲載します。どのような流れで質疑をし、答弁がどのようなトーンだったのか、ぜひ録画も明日以降公開されますのでご覧いただければと思います:
ーーーー以下、質疑メモーーーーー
■危機管理課 p30 和式トイレの洋式化ユニット 4,142千円
▽加藤ゆうすけ
和式トイレの様式化ユニットのところで、トイレに関連していくつかここから伺いたいと思うんですけれども、 先ほども、現状、各震災時、避難所に4個あるというものを、全和式トイレ分の購入だと思うんですけれども、 改めてちょっと個数として確認を、すみません、させていただきたいんですが、
現状、避難所となる69校の中では式トイレがいくつぐらいあって、 今回の単価は先ほどおっしゃっていただいた通りだと思いますが、個数として、ごめんなさい、もう1度、追加で何個購入するのか伺ってもよろしいですか。
●危機管理課長
全体でですね。今回購入するのは1448個で、学校で今、和式トイレで今既に配備しているもの(各避難所4個)を引いた、これ、学校で整備するのは1345個、。あとはですね、コミュニティセンターとか風水害避難所の部分でもお話しがありますので、それを103個という形になります。
▽加藤ゆうすけ
ありがとうございます。 こちらはかぶせるだけで何の工事もいらないタイプなんでしょうか。そのあたり、伺えればと思います。
●危機管理課長
はい、おっしゃる通りですね。コンパクトに畳んでおりまして、それを広げる。広げると様式トイレの形になります。で、そこに携帯トイレをこう設置していただくというような使い方になります。
▽加藤ゆうすけ
ということは、洋式化ユニットは発災後に各震災時避難所運営委員会の方が防災備蓄倉庫からトイレに運んでいって設置するというフローで間違いないでしょうか?
●危機管理課長
はい、委員のおっしゃる通りで間違いないです。
▽加藤ゆうすけ
我が会派として、災害時のトイレの混雑予測などを踏まえたトイレ整備というのをかなり議論させていただいておりましたんで、 今回の対策というのは、例えば、和式トイレがいくつあってもうまく使えないから洋式のとこに並ぶしかないっていうお子さんとか高齢の方とかにとっても、トイレの数そのものが増えるという意味合いぐらい効果的な対策かなと思ってまして。先ほど、 携帯トイレが和式だと使えないからっていうお話もありましたが、何より洋式にすることで、和式使えない方が使えるっていうところの効果も大きいのかなと思ってます。
で、その上でなんですけれども、発災後に断水した場合、優先順位としてはまず携帯トイレの使用が最優先で、 今回の対応、その部分に効果を確実に発揮すると思ってます。で、携帯トイレが尽きる前に、優先順位の2番目として仮設の組み立てのトイレを設置していくと思うんですけれども、この各震災時避難所に設置されている仮設組み立てトイレというのは、 基本的には洋式なんでしょうか。それとも和式もあるんでしょうか。
●危機管理課長
組み立てトイレについては和式になってしまってます。マンホールトイレについては、洋式化ユニットのというのがついています。はい。
▽加藤ゆうすけ
69か所の震災時避難所全てに仮設組み立てトイレがいくつかあって、それが全て和式という状態ですか。
●危機管理課長
トイレは和式です。
▽加藤ゆうすけ
すいません、もう1度。69か所全てにある感じですか。 69カ所に、すべての箇所に仮設組み立てトイレがあって、かつ、複数個あるいは1個以上はあるという感じですか。
●危機管理課長、
全ての避難所に組み立てトイレがございます
▽加藤ゆうすけ
数は。1個以上。
●危機管理課長
数はですね。各避難所です、3ないし4ですね、はい。
▽加藤ゆうすけ
そうすると、今回の様式化ユニットの購入個数というのは、この和式の仮設組み立てトイレに関連する何か対策というのは一切含まないということであってますか。
●危機管理課長
はい。こちらについては含まないということになります。
▽加藤ゆうすけ
この仮設組み立てトイレが和式だということが分かったんですが、今後これは洋式のものに取り替えていくんでしょうか、それとも洋式化ユニットみたいなことがこれも可能なんでしょうか。どのような状況ですか。
●危機管理課長
はい。組み立てトイレについてもですね、これからやはりあり方の部分を含めて、あとは少し介助の必要な方とかがですね、少し広いスペースでできるトイレという部分も少しこれからは検討していかなきゃいけないのかなというところで、それも含めて全体的なトイレについては検討していきたいと思います。
●市長室長
今回、先の課長が説明したんですけども、学校の避難所のトイレ全てに洋式でできるということなので、今、 各避難所に3個か4個しかない、和式のあまり意味がないところで、学校全部のトイレがもう洋式化になってるとこもありますし、和式のとこにそれはやるんですから、全部備えていきますから、 おそらくそこで足りるんじゃないかなとは思ってるんですけども、ただ、その人数なんかによってもう少し詳細な分析をして、足りなければ、今言ったような洋式化ユニットをやらなければいけないんですけども、ちょっとそこも含めて今後検討させていただければと思っております。
■危機管理課 身体障害とトイレの話 p30 和式トイレの洋式化ユニット 4,142千円
▽加藤ゆうすけ
図らずも身体障害とトイレの話に移行しようと思っていたところで、今、 頭出しをしていただいた形なんですが、根本的には学校トイレの改修作業と 関わってくる部分も大きい話ですので、そのあたりの所管は学校管理課ですから、やはり防災の話と、学校施設の話と、両方、今後ご議論いただく必要はあるのかなとは思っています。
で、その障害とトイレの話で引き続き伺いたいんですけれども、やはり能登半島地震の様子を見ていますと、 またしても大規模災害時の福祉避難所の在り方がかなり難しい状況に置かれるというのは明らかになってきたかなと思ってます。そして、各震災時避難所には一次福祉避難所がまず開設されることを3日を目途にしていますけれども、 今、横須賀市のウェブサイトにアップされてる施設カルテを見させていただいた中で、車椅子対応トイレのない学校が 小学校で10校、中学校で5個ありました。施設カルテの情報の基準日というのが2022年12月1日だったので、もしかしたらその後に増設された車いす対応トイレがあるのかもしれないんですけれども、 この現状、震災時避難所になっている69か所の小中学校のうち、車椅子の方が自力で利用できる想定のトイレというのがいくつあるかというのは、危機管理課では把握をしていらっしゃいますか。
●危機管理課長
申し訳ございません、把握しておりません。
▽加藤ゆうすけ
この車椅子の方が自力で利用できるトイレがない震災時避難所において対象となる方のトイレというのは、危機管理課としてはどのように想定をされていますか。
●危機管理課長。
1つ、今回導入する中で、 自力でというとなかなか難しいんですが、今回4平米のテントを購入します。これは使用用途はなんでも大丈夫なんで、今回のいわゆる組み立て式の洋式化ユニットも、携帯トイレを設置していただければその広いスペースで用を足す、いわゆる、ここがテントを使ったトイレですよというような中で、こううまくこう介助ができれば1つの工夫にはなるのかなとは思うんです。その辺は、そういった工夫の中でこうやっていただくということが 必要かなとは思うんですが、なかなかこう明確にはですね、じゃあここでというのは今現状ではないです。
▽加藤ゆうすけ
ちなみに、今回ご購入していただく和式トイレの洋式化ユニットというのは、車椅子の方が自力で利用できるトイレの増加にはつながるんでしょうか。ちょっと今難しいのかなと思いながら聞いていたんですが、いかがですか、
●危機管理課長。
直結してというような中では難しいのかなとは思うんですが、その辺は、教育委員会とですね、連携をしながら少し話をしてして検討できればと思いますので。
▽加藤ゆうすけ
今おっしゃっていただいたように、教育委員会との連携が必要な部分かなというのはとても感じます。
通常の既存の学校建物の大規模改修ですと、国の補助率が 3分の1ですかね。ただ、学校統合に伴って実施する既存施設の改修だと国庫補助率2分の1になったりですとか、 学校施設の話だけではなくて、防災の話っていうのを絡めながら、でも予算としては文科省系列みたいなものを部局間連携して機を捉えると、 防災対応力の高い学校トイレ作りというのは進む可能性があるんじゃないかなというのをちょっと思ってます。
今まさにが統合を控えている箇所が複数あるからそういうことを申し上げてるわけですが、 やはりこの防災対応力の高い学校トイレ作りの中では、車椅子の方が「自力で」とわざわざ申し上げているのは、 やはり介助者に介助していただくことに対する車椅子の方ご本人の心理的負荷が大きいですから、それでトイレを控えるというのはやはりあってはならないことですし、自力で行けるようにしていくという意味でも、 やはり車いす対応トイレが避難所にあるというのが望ましいと思うので、その部分、ご所見いただければと思います。
●市長室長
先ほども答弁させていただいたんですけども、今回のこの予算で 避難所、全ての人が快適に過ごせるとは思ってません。 ですから、今回、特別委員会の中でですね、当然教育委員会も出てくると思いますから、その辺も含めてですね、トータル的な話を、今、我々が今やってること、足りないことに対してどうすればいいのかというのもぜひ議論させていただきながらですね、 予算は限りがありますけども、そういう年次でどうやってやっていくのかっていうのも含めましてですね、対応していきたいと、このように思ってます
▽加藤ゆうすけ
まだちょっとトイレの話が続くんですが、会派として、移動式トイレ、特に福祉観点からのトイレからの導入という話をさせていただいておりました。 で、その中で、総務省の報道資料で確認をしたんですけれども、 令和6年度から緊急防災・減災事業債の対象事業の拡充が図られることになっておりまして、災害応急対策を継続するための設備、車両資機材(トイレカー)の整備というのが新たに加わっていたんですが、これはご確認はされていらっしゃいましたでしょうか。
●危機管理課長
はい、内容を確認しています。
▽加藤ゆうすけ
こちら、緊急防災・減災事業債については、東日本大震災を教訓として、喫緊の課題である防災・減災対策のための地方単独事業を全国レベルで早急に進めることができるよう創設されたもので、充当率が100パーセントでが元利償還金の70パーセントが地方交付税措置されるという大変手厚いものかなと思ってます。そして、令和7年度までの期限付きでもあります。
今回、代表質問で我々以外も、トイレカー、移動式トイレの提案は出ていますし、関心は高まっている中かなと思うので、 こうした手厚い財政支援がある中での導入検討というのもあり得たのではないかなと思うんですけれども、このさらに 福祉的観点から一歩進んだ移動式トイレの導入について、少しご所見伺えればと思います。
●市長室長
移動式トイレっていろんな形がありまして、登らなければ入れないトイレもありますし、ちょっとその福祉的なトイレって、すいません、私、ちょっとそこ分からないんですけども。この間も確かトイレカーについては3つの代表質問があったかと思いますけれども、繰り返しになりますが、現状で我々が向こうの被災者支援に行った時に、やはり夜、 皆さん寝る前に用を済ませます。そうすると、もういっぱいになっちゃうんですね。でも、朝使えないんですよ、それが。で、バキュームカーが来て取らなきゃいけないんですけども、そういう今不便さがあるっていうのも事実です。
で、先日の環境部長も答弁してましたけども、これから多分その辺が今回の課題になってくると思うんですよね。それがやっぱ改善して、そういうのがなくなった場合っていうのは色々な考え方が出るのかなと思ってます。で、ただ、令和7年までのその補助金の話ですけども、非常にそこまでできるかって言ったら、またそれは非常に難しい話も、研究する必要があると思いますから、そこはぜひ我々も頑張っていろんな情報を集めてやっていきたいと思いますんで、よろしくお願いします。
■携帯トイレの使用法の周知
▽加藤ゆうすけ
ぜひよろしくお願いします。またトイレの話なんですけれど、代表質問で、我が会派から、携帯トイレの使用法について、ぜひ頻繁に目に止まる周知の工夫をというふうに伺った際にですね、ご答弁いただいたのが、大規模地震により携帯トイレを使用するときは、トイレの各個室に使用方法を張り出すなど、誰もが簡単に使用できるように対応しますっていう形だったんですけれども、これは大規模地震が起きてから各個室に使用方法を貼り付けていくっていう想定なんでしょうか。
●危機管理課長
はい、想定としては、使用時に貼り付けるという想定となります。
▽加藤ゆうすけ
こちら、我々としては、 これは携帯トイレに関する普及、知識の普及と啓発という観点も兼ねていたので、 その、普段から携帯トイレに関するページを見ておくことが有効だというふうに思ってるんですね。トイレの壁は座れば見ますし、特に何も考えなくても見てれば頭に入ってきますし。そういう意味では、どの公共トイレ、学校トイレに入っても、個室に座ると目の前に防災の情報が広がっていて、携帯トイレについてちょっと書いてあれば自動的に学びが深まる機会にもなるのかなと思うんですが、そういった事前に貼っておく、事前にというか、普段から知識の普及のために貼っておくという考えについてはいかがですか。
●危機管理課長
その辺はですね、教育委員会と少し話を、話をしながら進めべきと、こう考えております。ただ、今回、安心・安全カレンダーも含めていろんな媒体でのそういった啓発はですね、今後積極的にしていきたいと思いますので、 そういう中でも市民の目に触れられるように啓発していきたいと思います。
▽加藤ゆうすけ
今教育委員会と少し話をしながらとおっしゃっていただいたんですが、公共施設のトイレでもいいと思うので、そういった意味ではもう少し関連部局も広げていただければなと思います。