2017年05月07日
制度に人間の仕事が追い付かない件。
介護・医療の現場は忙しすぎる!とはよく耳にするものの、実際に拝見してみなければ実感としてなかなかわからない…という思いから、特別養護老人ホーム、介護付き有料老人ホームや、地域医療に携わるかたにお話を伺う時間をしばしばいただいています。じぶんごと化。
その中で、「行政側の工夫で、変えられるかもしれない!」という点が、素人目ながらいくつか感じることがあるわけですが、とにかく感じるのは「その事務手続き、何とかしてもっとかんたんに・わかりやすくできませんかね?」ということです。
例えば、「看護師が1人辞めて要件を満たさなくなったのに、気づかず看護体制加算をうっかり請求しちゃって、指導を受ける」というような場合が、それこそ、うっかり生じてしまうこともあるそうです。
介護保険の「加算」とは、介護のサービスの内容によって追加料金を取ることができて、それがその事業所の収入になりますよ、というのがごく基本的な考え方だと思います。なので、当然それは、「努力した事業所さんが、申請をしてくれたら、それに報いる追加収入を得られますよ」という話なので、事業所ががんばって、サービスの質をあげていって、利用者もハッピー、事業者もハッピーになるような仕組みを目指してはじまったわけです。
けれど、現場のかたがたのお話を伺うにつれて、「加算が無いと成り立たないくらい経営は大変だけれど、その加算や、補助を取るための申請は、本当に大変」というような、なんだか、これは、頑張れば頑張るほど疲れていくのだろうな…ということを感じるわけです。
そうすれば、当然に利用者さんもしわ寄せがくるわけで、もし職員のかたに少しでも気持ちのゆとりがあれば気づいていただろう利用者さんの心身の変化が、見逃されたりするわけです。
こうなると、もう、制度に人間の仕事が追い付いていかず、それで生まれた不具合を解消するためにまた新しい制度が生まれ、仕事が増え、追い付かず…とぐるぐるしてしまいます。
どこかで、「仕事を減らす・手放す・かんたんにする」ことも、積極的に考えて、介護制度の未来を描いていきたいです。