2023年07月02日

【6月定例議会終了:ジェンダー平等と向き合う】

6月23日、本会議をもって6月定例議会が終わりました。

最終日の本会議において、上地市長が「女性のDNA、ミトコンドリアの中に虐げられた歴史があって、その怨念が今の社会を構成している」などの発言について謝罪と取り消しの申し出があり、これを認めました。
■「上地克明・横須賀市長「女性のDNAに怨念」発言、一部取り消し 発言撤回求めるネット署名は1万人分」2023年6月23日 東京新聞
https://www.tokyo-np.co.jp/article/258600

上地市長の申し出を、以下掲載します:

「6月8日の青木哲正議員に対する一般質問に対する答弁において、DNA、ミトコンドリアの中に虐げられた歴史があるといったことや、女性の怨念や無念が社会を構成し、反動形成で男女共同参画社会を構成している、また、念を浄化させるといった旨の発言は、不適切であったために、お詫びを申し上げるとともに、この場で発言の取り消しをお願いしたいと思います。
 
私の答弁は、私の経験も踏まえ、 多くの女性の方々が、 これまで、 長期にわたり差別的な取り扱いを受けてきたことに触れながら、根強く残る女性への差別を、 いまの世代で何としても解決していかなければならないという思いをお伝えしたかったものです。
 
従前から常々申し上げているとおり、私の政治の原点は、あらゆる差別をなくす、歴史的に大変な思いをされている方々の思いを代弁する、そして、「言われなき偏見や差別をなくす」、ということであり、差別的意識や女性蔑視などの意図は一切もっておりません。
 
改めて、 私も含め職員全体が人権尊重、 ジェンダー平等についての理解を、 より深め、取り組みを進めていかなければならないと決意を新たにするとともに、本会議における答弁についても引き続き留意してまいります。」

■改めて一連の出来事を整理すると


数回連続でジェンダー平等をテーマにブログを書き続けてきましたが、改めてこの上地市長発言に関連する出来事を、書き残しておきたいと思います。

●6月8日 一般質問 青木哲正議員に対し、上地市長の問題の答弁あり

●6月14日 環境教育常任委員会 加藤ゆうすけの質問に対する井上室長が問題をさらに深刻なものに
・・・私のSNS投稿の閲覧数が、いつもの10倍くらいになっていました。

●6月20日 朝日新聞の取材に対し、「不用意な発言で誤解があったかもしれない」と釈明。
「女性DNAに虐げられた歴史」横須賀市長 「不用意な発言」と釈明, 2023/6/20 朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASR6N7284R6NULOB028.html 
・・・この記事が出たことで、インターネット上で上地市長の発言に対する認知が一気に広まり、多数声が上がり始めました。

●6月21日
14:30 加藤ゆうすけがテレビ朝日の取材を受ける。

16:30 ジェンスカ(市にゆかりのある若者有志)が本件に対し、再発防止策を求める署名を提出。市長室人権・ダイバーシティ推進課長・秘書課長が受領、議会局議事課長が同席

17:00-17:10 上地市長記者会見にて発言の取り消し・謝罪の意向を示す。
・・・この記者会見の模様も含め、夕方以降のテレビ報道で、加藤ゆうすけへの取材含め、一連の状況が報道されていました。

●6月22日
朝刊各紙にて、本件に関する記事が掲載されました。

午前中 上地市長に対し、会派として意見を申し入れ

●6月23日
上地市長の謝罪と、発言の取り消し

■敢えて今回、メディアへの疑問を記した理由

 今回の上地市長の発言については、議員として大いに責任を感じていますし、ジェンダー平等について議会全体が学び続けるための施策が今後必要だと考えており、提案していきます。

 他方、前回のブログに、「議員生活6年間の中で、なぜ地元記者がジェンダー平等を巡る問題を取り上げないのか疑問を感じる場面が多くありました」と記しました。敢えて書き残しておきたいのですが、6月21日の市長記者会見で、一番鋭く質問をしてくださっていたのは、普段本市にはいない記者でした。私にテレビ取材にやってきてくださったのは、私よりも若い取材クルーでした。22日の朝刊で、一番大きく紙面を割いて報じたのもまた、普段本市にはいない記者でした(※1)。

 「これは、上地市長だけの問題ではない」。前回のブログの繰り返しになりますが、私自身も含めて、議会も、市役所も、メディアも、産業界も、学校も、地縁組織も、家庭も、横須賀市内のあらゆる場所において、ジェンダー平等が改めて問われる一年にしていきたいと思います。

※1
【調査方法】
6月22日の朝刊(読売・朝日・毎日・東京・日経・産経・神奈川)において、上地市長の発言に関連する記事の面積を計測し、比較しました。家にあった定規なので、ミリ単位での正確性は、少し怪しいですが・・・。
1位:東京新聞 255平方センチメートル
2位:毎日新聞 212.5
3位:神奈川新聞 160.75
以下、朝日、読売。なお、日経、産経には記事はありませんでした。

ただし、朝日新聞は6月21日朝刊ですでにこのことをいち早く報じていたため、22日朝刊での記事面積が小さかった側面があります。






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