2023年03月14日

【ユニバーサルツーリズム】(代表質問と、総務分科会)

 これまでよこすか未来会議として、交通機関の利用が困難な障害者や高齢者のための施策を求めてきましたが、今回の新年度予算案では、観光の側面から市内周遊をしやすくするための施策が盛り込まれました。障害を持っていても、乳幼児連れでも、日本語がうまく使えなくても、心地よく旅行できるまちは、暮らしやすいまちにもなります。観光を切り口に、様々なかたの福祉が向上することは、望ましい限りです。



 これも踏まえ、よこすか未来会議の代表質問でも、誰にとっても快適な旅行=「ユニバーサルツーリズム」の推進について問うたところ、前向きな答弁が得られました:

ーーー2月24日 代表質問 書き起こしーーー
▽小幡議員
(2) ユニバーサルツーリズムの推進について
 観光立市に向け、観光地としてのアピールとして、既存の資源に磨きをかけ、活かしていくことに力を注ぎ、特に近代遺産を活用したルートミュージアムの推進には力を注いでいるかと思います。観光地として「おもてなし」の心を持って観光客を迎え入れることはもちろんですが、そのためには必要な整備もあります。

 トイレの整備については以前の一般質問でも包括的に検討いただける旨答弁いただきましたので、今回は「ユニバーサルツーリズムの推進」について伺います。本市の地形は起伏に富んでおり、そこが魅力である一方、車いすユーザーや体力に自信のない方などが、楽しみづらいところもあります。地形については物理的に変えることが難しい部分もあるかもしれませんが、「ルートミュージアムをまわりたいが、車いすで回れるルートが一つもなかった」といった状況は避けなければなりません。また、観光案内板などについても、視覚障害や聴覚障害の方のことも考えられているか、外国籍の観光客に対してはどうか、を今一度見直していただきたいと思っています。
 横須賀美術館では最近ガイドが導入され、聴覚障害の方が喜んでいる声を聞いています。こうした取り組みについて、一つ一つの部や課などが事業ごとに取り組むことも必要ではありますが、本市の観光施策を進めるうえで、是非「ユニバーサルツーリズム」を念頭に置いて欲しいと思います。
 次年度予算において、車いす利用者やベビーカーを利用している方にも市内周遊を楽しんでいただくためのバリアフリー情報の発信があげられていますが、本市において「ユニバーサルツーリズム」を積極的に進めることについて、市長の考えを伺います。

●上地市長
 次にユニバーサルツーリズムについてです。
観光立市を目指す本市にとって、車椅子や外国人の方などすべての方が市内周遊や観光を楽しむことができるよう、観光政策を推進することは必要と考えています。来年度は2019年より横須賀市とANA、京浜急行電鉄、横浜国大の連携により市内で行った実証実験で蓄積したバリアフリー情報を活用し、まずは第一歩として車椅子やベビーカーを利用している方に対し、段差のない経路やエレベーター情報など本市の観光情報サイトに掲載をいたします。また、外国人の観光客に対しても、最新の情報や観光に必要な情報を多言語版ホームページと、ガイドブック?を相互にリンクさせることにより常にウェブ上でも入手できるよう改修を実施します。加えて、外国人の受け入れを希望する飲食店とともに、宗教文化などに対応したメニュー表を作成するなど、インバウンドの受け入れ環境整備を進めてまいりたいと思います。
 すべてを一度に対応することは困難ではありますが、ユニバーサルツーリズムの考えをすべての職員が常に意識しながら、おもてなしの心と合わせて観光施策を推進してまいります。


ーーー2月24日引用終わりーーーー

さらに、これを踏まえ、総務分科会においても、我々の会派の伊関議員から質疑を行っています:


ーーー3月9日 総務分科会ーーー
▽伊関委員
 私ども代表質問でユニバーサルツーリズム、観光客が来ていただくというところの質問をさせていただきました。市長答弁もよかったのですが、現実に今ルートミュージアムとかさまざまな観光資源を投入していますが、じゃあ実際に障害者の方とか例えば親子連れ、乳母車を引いていくっていう方達が来た時に、それこそティボディエ邸から三笠(公園)に行くのも、結構段差があったり、大変なことが多いと思います。
 簡単にはいかないと思うんですけど、ぜひそういうところを直していってほしいです。
 トイレがどこにあるかなどは、先程の答弁のようにインターネットでも見られるようになっていくと思いますけど、現実にハード面で厳しいところ、建設部の分野になるのかもしれませんが、ぜひその辺は連携してやっていっていただきたいと思いますがいかがでしょうか?

●プロモーション担当課長
 はいおっしゃる通りだと思いまして、我々当然ハードをそうそう簡単には変えられるわけではないんですけれども、当然、先程言ったような仕組みを持って、今後進めていくと、ここが通りづらいとかこの段差がきついとか、坂がどうだとかそういったことってどんどん情報としては集まってくる。そういったことのためにやろうと思っています。
 でも当然それを建設部の方だったりに反映させていって、当然市ができないところは国に行ってみたいなことは我々の当然これやるべきこと・やりたいことですので、当然進めていきたいと思っています。

▽伊関議員
 合わせて、色々な実証実験を市としてやっていて、無人バスとかですね、ああいうのも実証実験やってその後導入はしてなくてですね。でもせっかくやってるんですから、そういうことも実証実験じゃなくて、導入に向けて少し動いていったほうがいいのかなというふうに思いますので、誰もが安全に移動ができる手段とか方法とか、歩いて行けるっていうのもいいんですけど、簡単に回答がでる問題じゃないですけど、検討していただきたいと思いますがいかがでしょうか?

●文化スポーツ観光部長
 我々観光を進める部門におきまして、非常に難しい課題ではありますけれども、非常に一番重要な問題だと思っております。今おっしゃってくださってる通り、なかなか簡単にはいきませんけれども、今課長が答弁しました通り少しずつかもしれませんけれども、改善がされていくように、我々はその意識を常に持って事業を進めていきたいと思っております。


ーーー引用終わりーーー


 私および会派は、観光施策については、民間事業者が主体となって、しっかり稼ぎながら、市内経済が活性化していくことを重視しています。一方で、ユニバーサルツーリズムのような概念を普及させるためには、市が率先して環境整備を行う必要性を感じています。市がすべき観光施策は、自ら派手なイベントを打つことよりも、基本的な環境整備、道路が壊れていないとか、段差が無いとか、標識が見やすいとか、トイレが清潔とか、そういうことだと思うのです。

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