26.07.01 Wed
【「浦賀駅前×川間エリア」同時進行したら市はどうするんですか?】(2026年6月12日都市整備常任委員会と16日総務常任委員会)
6月定例議会の報告です。現在、私の地元でもあります浦賀駅前エリアを中心とした新しいまちづくりの方針(浦賀湾周辺土地利活用アクションプラン)の策定が進んでいますが、パブリックコメントの最中に、対象が浦賀駅前だけでなく「川間エリア」を含んだ湾全体(広域)へと突然修正されたお話は、以前ブログで記した通りです。■2026年05月12日【浦賀パブコメ・の修正】https://www.katoyusuke.net/blog/26051201この急な方針転換を巡り、一市民会派の同僚議員である小林議員の一般質問、そして私(都市整備常任委員会)、さらに天白議員(総務常任委員会)へのリレー形式の質疑によって、「ちょっとそれってどうなんですか?」という矛盾が見えてきました。■小林議員の一般質問で見えてきた「説明の順番違い」まず、本会議の一般質問で小林議員が、地域住民や東部漁業協同組合などへの説明がないまま、行政や都市計画審議会(都計審)での議論が先行していることへの不安と危機感を問いました。「地域の声が反映される前に方向性が決まってしまうのではないか」という、住民の切実な声の代弁です。これに対し、上地市長の指名を受けた平澤副市長は、以下のように答弁しました。(余談:法令的に、副市長に答弁させることは何ら問題がありません。しかし、政治的には、そこに最高責任者たる上地市長自身がいるのにもかかわらず、上地市長のお住まいの目の前で起きていることについて、副市長に答弁させる姿勢には、大いに疑問を感じています)平澤副市長の答弁: 川間エリアの具体的な内容は、まだ「現段階では具体的な計画はまだ相談の域に達していない」「まだまだ白紙に近い状態」。本当であれば都計審への説明と地元への説明を同時にすべきだったが、「ちょっと物理的な問題で少し時間的な齟齬ができた」。川間の具体化にあたっては、事前に地元に事業者の計画を聞いて指導もした上で、まずは地元にご相談するということで、川間エリアを「まだ白紙に近い」としました。■加藤ゆうすけの質問:都市計画を所管する「都市部」はどう考えるの?平澤副市長が「白紙に近い」とした川間エリア案ですが、実際に5月7日に都計審に頭出しされた資料には、すでに具体的なゾーニングを含む「7つの方針」がしっかりと書き込まれていたわけです。(傍聴もできる公開の審議会で提示された資料であり、公開資料ではありますが、まだインターネット上に公開されていないため、原本のここでの掲載は控えます)そこで加藤ゆうすけとしては、都市整備常任委員会において、現場を管轄する都市部へ「これほどの大規模開発がほぼ隣接するエリアで同時に動いた場合、交通や環境への影響をどう想定し、どう調整するのか」と迫りました。都市部長からは、地域の生活を守るための前向きな答弁を引き出すことができました。加藤ゆうすけに対する都市部長の答弁: 確かに場所が近いため、工事が同時に起きればインフラ容量の確認、道路交通への影響(大渋滞の懸念)、工事車両のルート調整など、生活環境への多大な影響が考えられる。単独であれば問題ないことでも、同時進行であれば話は別。開発区域周辺の生活環境への配慮に重点を置き、必要に応じて事業者に適切な対応・調整を求める指導を行っていく。現場を預かる都市部としては、同時進行による地域の大混乱を避けるため、民間主体であっても、市が間に入って指導・調整を行う必要性は感じているとの姿勢を示しました。都市部は開発を促すアクセルだけでなく、住民を守る「適切なブレーキ」の役割も果たすべきだと私からは返答し、質疑を終えました。■天白議員の追及:経営企画部からは「調整しない」との答弁。 ところが、この都市部の前向きな答弁を踏まえ、次に開催された総務常任委員会で天白議員が「一体のまちづくりとして、工期の住み分けなどを市が中心となって2つの事業体間で調整するべきでは」と、より一歩踏み込んだ質疑を行いました。 しかし、浦賀の開発の推進役である経営企画部長の答弁は、都市部のそれとはだいぶ異なる印象の答弁でした。経営企画部長の答弁(天白議員の質疑に対して): 「川間についてはあくまで民間開発。以前からかなり前から話があったのは我々としては承知はしているが、そこの中身については、具体的には、都市部が所管しているため、経営企画部としては細かなところまでは承知していない」「プランとしてのエリアは湾全体で一体的に捉えているが、駅前と川間の事業はあくまで個別の民間開発。市として、両事業を調整して進めていくという考えは我々の中には持っていない」先に都市部から「同時進行は多大な影響があるから指導・調整の可能性はある」と答弁したのに対して、浦賀駅前開発のアクセル・経営企画部は「個別の民間事業だから調整しない」との答弁です。庁内での意識の差が見られた瞬間でした。(なにより、小林議員に対する本会議での質疑の最中も、上地市長の後ろで、だいぶ副市長・部長らがバタバタとしておりました。)■「一体的なまちづくり」なのに「環境アセス」は、要らないのか?この二面性は、最も重要な「環境影響評価(環境アセスメント)」の議論において、矛盾として天白議員に指摘されます。今回の2つの開発を合わせると、全体で30ヘクタールを超える巨大な開発になります。 本来であれば大規模な環境アセスメントが必要な面積ですが、市は「別々の事業だから個別に評価(アセス)していく」という方針を示しました。別々に切り分ければ、それぞれ単体の面積では神奈川県の環境影響評価条例の対象未満(アセス不要)になるので、結果的に環境影響「逃れ」にならないか?との疑念が生じます。天白議員の指摘: 湾全体を一つにするアクションプランに紐付けておきながら、「工事の調整」や「環境アセス」になった途端に「別々の事業だから」と都合よく切り離すのは、周囲から『環境アセス逃れ(累積影響の無視)』という指摘を受ける可能性がある。百年近くが経過した浦賀の岸壁エリアには、独自の生態系が成立している可能性もある。規制緩和ありきの計画ではなく、きちんと一体的な調査をしてから進めるべきだ。天白議員の指摘は論理的に考えて自明であると思いますが、経営企画部長からは「ご指摘のようなことは思っていない」との答弁でした。同じタイミングで、市がアクションプランに乗せてまちが動き出す以上、「一体の開発だよね?」と市民は考えるはずですし、なにより同時に工事が重なったら、その影響に対して、市はどうするのだろう?という状態です。📮 地元の声を置き去りにしないために 地元の方々からは、「燈明堂横の崩落した護岸が10年以上も修繕されないままである。今の事業者の態度には相当な懸念を持っている」といった、非常に厳しい声も上がっています。 小林議員が指摘した住民説明のあり方、私が都市部に求めたインフラ・交通調整における適切なブレーキ、そして天白議員が経営企画部に問うた環境アセス逃れへの懸念。会派「一市民」としてチームで取り組んでいます。 浦賀の活性化という「アクセル」は大歓迎ですが、それによって市民生活や貴重な自然環境が脅かされないよう、確実な「ブレーキ(調整機能)」が機能するまで、今後も議会から厳しくチェックを続けてまいります。