2023年06月21日

【ジェンダー平等は、上地市長だけの問題ではない】

【女性のDNA、ミトコンドリアの中に常に虐げられた歴史があって、その怨念、無念さが多分、今の社会を構成している、という上地市長の答弁】の問題について、一向に収束せず、私も取材を受けました。
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000304275.html

加藤ゆうすけ:「ずっと続いてしまう女性差別の歴史を『ここで断ち切ります』という表現だったら良かったが、それが生得的な遺伝情報で差別の記憶が刻まれていて、それが怨念となって社会を動かしているというような話になってしまうと、それは受け入れられない表現だと思う。ジェンダー平等を前に進めると市が決めているなかで、こうした発言が出てしまうと、本当にやるのかと疑念を持つ人も出てしまう」

 上記の通り、私の目的は一貫して、「ジェンダー平等を前に進める」です。

 ジェンダー平等推進のため、担当課をはじめとする市職員が熱心に取り組んでくれています。もちろん、上地市長ご本人だって。4年間かけて問い続け、ついにポジティブアクションの導入を明言してくれた今年3月定例議会のあの瞬間は、今も私は忘れられません。

 それだけに、上地市長本人の真意がどうあったにせよ、ジェンダー平等推進を阻害しかねない表現を、行政のトップが行ってはならないのだということを、何とかして上地市長にわかってほしい。その思いで、質疑し、発信し、この数日間を過ごしています。

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 そして、ジェンダー平等を巡る問題は決して、上地市長だけの話などではありません。

 もちろん、先のブログで述べたように、市長の後ろで止めることもできたはずの幹部職員が抱えるジェンダー平等を巡る問題の根深さという話もありますが。

 まずもって、加藤ゆうすけ自分自身の問題でもあります。

 自分自身、ジェンダー平等について学び、政策提言する背景には、あまりきれいな表現では語りつくせない、複雑な思いがあります。
 この日本社会で男性として、下駄をはかせてもらって、色々なことに何不自由なく挑戦出来て、そして比較的若い議員として仕事もさせてもらっていて、その立場からジェンダー平等を語ることに対して、「まずその持っているものを全部失ってからジェンダー平等を語るべきである」と責められても、正直何も言えません。それくらい、シスジェンダー男性(男性として生まれ、自分が男性だと自認している人)は、この日本社会で、特権性を持っています。裏返しで、女性は、様々な機会を奪われています。

 議員の役割として、執行機関たる市長らに対してチェック機能を働かせる一環として、私はジェンダー平等の観点から分析し、提案や批判を懸命に行っています。しかし、市民としての加藤ゆうすけは、偉そうに人にものをいえるほどジェンダー平等な言動を人生で一貫しておこなってきたのか?常に自問するばかりです。

 しかし、だからこそ、誰もがジェンダー平等に対して敏感であってほしいと願っています。自分自身がそうすることで、周囲の誰かの尊厳が傷つく可能性を少しでも減らせるのならば、みんなでそれをやろうよと、呼び掛けたいのです。

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 そして、ジェンダー平等が、ちゃんと横須賀市の重要なテーマなんだと市民が認識できるような情報が圧倒的に足らなかったという問題でもあります。

 議員生活6年間の中で、なぜ地元記者がジェンダー平等を巡る問題を取り上げないのか疑問を感じる場面が多くありました。報道関係者のジェンダー平等への感度が高まれば、市内の誰かの尊厳が傷つく可能性が少しでも減らせます。今回、市民の活動も活発に行われ、ようやく報道も出ていますが、本来であれば数年前から、改善を促すための報道機会もあったはずです。これを機に、報道関係者のジェンダー平等への感度が高まることも願っています。

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