2021年06月11日

【福祉避難所のありかたについて一般質問などで市に提案してきたもののなかなか変わらなかったが、ここへきて国がガラッと方針を変えたので市も変わりそうな予感】(2021年6月9日 生活環境常任委員会)

 しばしばあるのですが、「こうしたほうがいい」と議会から提案していたことについて、市はなかなか政策を変えなかったが、国が方針を変えたら一気に進むことがあります。地方自治とはいえ、国の示す方針(法律・政省令のような強いものから通知のような”アドバイス”まで)は、市町村にとっては、やはり大きな影響力を持ちます。





 大規模災害時に配慮が必要な方が過ごす「福祉避難所」のありかたについて、私は一般質問などで市に提案してきたものの、なかなか変わらなかったのですが、ここへきて国がガイドラインをガラッと改定したので、市も変わりそうな予感がする一幕がありました。





■現行の市の想定では、震災時に避難が難しい高齢者・障害者も、いったんは地域の小中学校(=震災時避難所)に移動して、そのあと福祉避難所に移動しますが…





 かねてから私が市に提案してきた福祉避難所のありかたというのは、「震災時に避難が難しい高齢者・障害者などは、発災直後に直接(
三次)福祉避難所に行けるようにしたほうが絶対良い」というものです。





↓過去の質疑





http://katoyusuke.net/2019/12/07/19120701/



 この時、福祉避難所のありかたについては現状維持の答弁、すなわち、「まずはいったん小中学校へ避難して、福祉避難所はそれから」しか得られませんでした。





 しかし、つい先日(2021年5月20日)、内閣府が「福祉避難所の確保・運営ガイドライン」を大改定し、なんと、まさに私が言っていた、直接避難を可能にする方向性が示されたのです。





・参考:「福祉避難所、対象を事前公表」 カナロコ 2021年5月23日(日)





https://www.kanaloco.jp/news/social/article-512994.html





 今年私は、防災、ジェンダー平等、上下水道…などを所管とする生活環境常任委員会に所属しており、この改定を踏まえた質疑が可能な格好のチャンスを得ることができ、今回質問しました。





 改定直後とあり、まだそこまで具体的ではありませんでしたが、「既に今の段階で専門家ケアが必要なかたは、一次福祉避難所で対応できるのか?という問題はあります。段階的に二次・三次(福祉避難所)ではなく、全体的に、まずは福祉部との相談になりますが、改めてガイドラインを踏まえた体制作りが必要だと思っています」との、力強い答弁が得られ、ああ、ついに変わるかも…と期待が高まりました。





―――――以下、当日のやりとり――――――





■1 福祉避難所について(市民部危機管理課)





▽加藤





2021年5月24日月曜 神奈川新聞朝刊に、【福祉避難所の対象 事前公表 政府、災害時混乱で新制度】と記事がのっていました。内閣府が運営に関するガイドラインを改正し、市区町村に周知したとあった。福祉避難所の取り扱いについてはこれまでも質疑してきましたが、まずこのガイドラインの改定について本市への連絡は何日付けで来ているのか?





●危機管理課長





国の通知文は5月20日付。実際には、県を経由するので、県から本市には5月25日にメールで届いた。





▽加藤





このガイドラインの中身を見ると、「市町村は、指定福祉避難所を指定したときは、その名称、所在地及び当該指定福祉避難所に受け入れる被災者等を特定する場合にはその旨その他市町村長が必要と認める事項を公示するものとした(令和3年施行規則改正)」[1]とある。さらに、令和3年施行規則改正の施行時(令和3年5月20日)において、施行令第20条の6第1号から第5号に該当する福祉避難所については、受入対象者を当該福祉避難所の施設管理者と調整の上、特定し速やかに公示されたい」とまで書いてあります。となると、この関連の作業を本市でも今後進めなければならないのではないか。





●危機管理課長





基本的には、法令改正になるので、趣旨を踏まえて進める必要はあると思っています。まずは福祉避難所を所管するのは福祉部なので、調整したいと思っています。





▽加藤





ぜひご調整お願いしたいと思います。もう少し具体的に、最近の質疑・答弁を追っていきます。





2019年3月定例議会で、上地市長から、二次・三次福祉避難所となる施設の被害状況が即座にはわからないため、直接二次・三次福祉避難所に向かうことは非常にリスクが大きい[2]と答弁があった。





これを踏まえて、2019年12月定例議会で私が一般質問で、要援護者の自宅が全壊し、震災時避難所へ避難せざるを得ないが、その道の途中に福祉避難所があるというようなケースを考えると、災害直後の震災時避難所への移動に伴うリスクと、発災直後に直接福祉避難所に向かうことで生じるリスクを比べたときに、家から近く、かつ専門家がいるところに行けたほうが、御本人も安心ではないかという観点から、災害時要援護者支援プランの見直しの是非について質問したところ、市長室長から、個別計画においても、まず行く先は震災時避難所、つまり1次福祉避難所である小・中学校が適切[3]と答弁をいただいている。





以上の経過について、今回のガイドラインの改正に照らして考えてみると、やはりそもそもの二次・三次福祉避難所を巡る地域防災計画での想定、すなわち現状の、まずは震災時避難所に移動して、その後3日程度を目途に開設される二次・三次福祉避難所に必要に応じて移動するという二段階の避難ではなく、福祉避難所に災害時要援護者が直接避難できる形を目指した計画へと改善することが、こうした災害時要援護者のリスクをより小さくできるという判断なのだと思うが、いかがか。





●危機管理課長





例えば、障害お持ちの方が、現在の一次福祉避難所に行くことをためらった結果、具合が悪くなることがあってはいけないと思います。一方で、現在、二次福祉避難所としている施設に直接避難した場合に、行ったはいいが受け入れ態勢ができていないということになると、またそれは一つの手間、リスクもあると考えます。一番鍵となるのは、受け入れる施設の受け入れ態勢、そこが確実にできるかどうかというところだと考えています。





▽加藤





今、二次福祉避難所の観点はご答弁いただきましたが、より高次の支援が必要なのは三次福祉避難所を想定されると思います。現在名称は公表されていませんが、専門家のいる福祉施設ですので、こうした施設と要援護者を個別計画で具体的に結んでいくことは、調整いただきたいですがいかがでしょうか。





●危機管理課長





民間の専門施設につきましては、福祉部でもすでにいくつかの事業所と協定を結んでいると伺っています。協定を一歩進めて、例えば何人受け入れるよという調整については、福祉部がやっていけるのかどうかも含めて、我々からも働きかけします。





▽加藤





最後にこの件のご所見をいただきたいという意味も込めての質問となるが、専門家を有する民間の障害者入所・通所施設等への直接避難の有用性は、地域の避難所運営委員会が高齢の委員ばかりで負担が大きくそろそろ限界があるのではないかという観点からも、特に二次・三次福祉避難所への避難者については、直接避難することが、地域の震災時避難所にとっても、要援護者ご本人にとっても望ましいのではと思う。





開設訓練に地域の一員として参加する機会もありますが、障害をお持ちの方にもその場に来ていただき、地域の取組みをお互い理解しあおうと続けてはいるものの、障害当事者の思いを、全ての役員が完璧に汲んで対応することが難しいのだなと言う場面にも直面したことがあります。非常事態に、それぞれが危険を追わないという意味でも、専門的ケアに長けた福祉避難所に直接避難できるという点について、積極的な検討をと思いますので、ご所見をお願いします。





●市民部長





国のガイドラインが、いまおっしゃったことを契機として提案されたもの。福祉避難所が名称としてあるが、実際どれだけ機能しているかがいま問題視されています。一次~三次それぞれ役割があるとはいえ、一次福祉避難所に全て任せるのは当然無理だと思っています。要配慮者にも様々なカテゴリがあり、妊婦や小さいお子さんも要配慮者で、一次福祉避難所にはこうした方が入られ、また、既に今の段階で専門家ケアが必要なかたは、一次福祉避難所で対応できるのかという問題はあります。段階的に二次三次ではなく、全体的にまずは福祉部との相談になりますが、改めて考え方をガイドラインを踏まえた体制作りが必要だと思っていますし、いま協定で民間の福祉施設にお願いしているところです。相手先があることですので、事前にどこまで対応ができるのか、災害時にどれくらいの時間で開設が可能かと言う点も含めて協議しながら実効性ある体制に変えていきたいと思っています










【参考】





[1] 内閣府「福祉避難所の確保・運営ガイドライン」2021年5月改定,p18





[2] 平成31年 定例議会(3月) 02月27日-03号 「支援が必要な方についても、災害発生直後は、まずは身近な場所にある小・中学校などの避難所に避難していただいて、その後、保健師による優先順位等の判断を経て、二次、三次避難所へ避難していただくことが最適であるのではないかと考えています。二次福祉避難所は、市の施設を用い、有資格者を含む市の職員によって運営することとしていますので、施設の被害状況の確認や職員の参集に時間を要します。三次福祉避難所は、特別養護老人ホームなどの福祉施設ですので、災害発生直後は入所者の安全確保を最優先に行う必要があり、避難者に対応できるようになるには、ある程度の日数は必要になります。各施設の被害状況は、実際の場面でなくてはわかりません。そのような状況下で災害発生直後に二次、三次福祉避難所に向かうことは、非常にリスクが大きいのではないかと考えます。」





[3] 令和1年 定例議会(12月) 11月29日-02号 「避難の途上、見たところ大丈夫そうだからそこへ駆け込んだという話であるならば、我々が施設側にお願いしていることは、来た方は拒まないでくださいと。そこで入れるの、入れないのという押し問答をしている間がもったいないですと。一旦は受けとめていただいて、施設のキャパシティーから、やはりあと数日は対応できないから、1次福祉避難所なり何なりに戻ってくださいというお話をしてくださいというお願いをしていますので、そのような運用実態を考えると、あらかじめ災害時要援護者支援プランの中の個別プランの中に、いろいろなことを書いておくというのは、余り現実的ではないかなと。





 かなりケース・バイ・ケースの話になっていくので、私たちが想定している個別計画はやはりシンプルに、この方はふだんどのようなサービスを使っているから、援助者はこういう方で、まず行く先は1次福祉避難所である何とか小学校、そのようなことが適当ではないかと考えています」


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